外務大臣賞
中学生部門
タイトル:【一つ屋根の空】
兵庫県 中学校2年生 天羽 悠月
「それめっちゃいいやん」
風車を備える車、シンクで水力発電。私達が暮らす日常から宇宙まで“これからのエネルギーのアイデア”グリーンパワーキッズ。皆の思いが一つの未来を作り出していく。
私は小六の秋、学校で四大公害病とクリーンな日本について学んでいた。しかし、ニュースなどで報じられる様々な環境問題。「公害は過去のものなのか」そう考えたとき、私は大切なエネルギーを根本から学び、次世代エネルギーを導く活動に応募した。
参加してまず驚いたこと。それは、日本のエネルギー自給率がたった6パーセントに過ぎないことだった。そのとき私は、日本が黄色い光に埋め尽くされているISSが写した写真を思い出した。とりわけ明るく光る日本は、電力をどれだけ消費しているのかを物語っていた。
そのことを実感した出来事がある。雨降りの夜、車から降りると月も出ていないのに空が薄明るく広がっていた。それはとても不自然で、私が通う芦生の自然学校や田舎の祖父母宅ではあり得ないことだ。それは、人口だけの問題ではないと思う。
私がグリーンパワーで学んだこと。限りある資源と産業や人口増加によって起きるエネルギー不足。地球温暖化や環境破壊のないエネルギーが必要とされていること。そこで私達は、これからについて話し合いアイデアを築き上げ、集まり、発表した。神戸・徳島・沖縄・東京とそれぞれの生活環境の違いから、思いもつかないような意見が出てきた。参加した四県で違いがあるならば、日本や世界全体ではもっと違うのではないだろうか。
私は発表の際、国際協力で行う“宇宙発電”の提案をした。「宇宙から見ると国境はない」と毛利さんの言葉を引用させてもらい、これからのエネルギーには、国際協力が必要だと訴えた。それには、意見や文化の違いが大きな壁になるかもしれない。
しかし、グリーンパワーキッズでは、同じ思いを持って集まったからこそ分かり合えた。そのように壁を越え、互いに意見を伝え合う場がより増えていけば、大きな視野で考えられる人を増やして行くことになると思う。そしてそれが、エネルギー、自然、人の共存、共生の輪につながって行くだろう。
私はこの作文を書き進めて行くうちに、「大地を踏みしめ生きていることは、特別なことなのではないか」と、思った。“青い空ときれいな空気”がすべてにめぐることを信じ、和の心を大切にして行きたい。One for all, all for one.一つの屋根の空の下、共に暮らす喜びをかみしめながら。