新事業企画の壁打ち術
企業にとって、新事業や新商品・サービスの開発は欠かせません。
今売れている商品でも、競合が類似商品を出してきます。取引先から値下げを求められることもあります。人口減少や高齢化が進む中では、何もしなければ販売数量も利益率も下がっていく可能性があります。
だからこそ、中小企業にも新事業企画が必要です。
最近は生成AIの登場により、アイデア出しは以前より格段にしやすくなりました。プロンプトを工夫すれば、短時間で多くの案を出し、市場性や競合との差別化も整理できます。
しかし、AIが出した案をそのまま採用すればよいわけではありません。
新事業は、最終的に誰かが判断し、責任を負わなければ前に進みません。AIは選択肢を広げる道具であって、社長の代わりに覚悟を決めてくれる存在ではないのです。
新事業企画では、自社の強み、経営資源、市場環境、競合、収益性、実現可能性、社内体制、取引先との関係などを多面的に検討する必要があります。
このとき重要なのが「壁打ち」です。
壁打ちとは、思いついた案をそのまま進めるのではなく、質問や指摘を通じて、企画の弱点や可能性を磨いていく作業です。
若手や外部コンサルタントは、AIを使って論点を整理する。社長やベテラン社員は、経験と現場感覚で判断し、修正する。この組み合わせが効果的です。
ただし、本当の壁打ちは会議室の中だけでは終わりません。
小さく市場で試し、顧客の反応を見て、改善を重ねることが重要です。
新事業企画とは、考えるだけの作業ではありません。
市場で試しながら、成功確率を高めていく実践なのです。
