「雛鳥を育てた無償の愛」
しがく式を学ぶ大橋さんの話。彼は、小学生の頃に道端で小さな雛鳥を見つけた。ペットショップに相談しにいったのだが、「その雛鳥はカラスの子かもしれない」と引受けを拒否された。見放された雛鳥を、自分で育てることとなったそうだ。
黒かった雛鳥は、成長するにつれて次第に白くなっていった。カラスの子かもしれないと言われた雛鳥は、成長すると鳩だとわかった。
鳩は元気に飛び立っては、必ず彼のもとに戻ってきた。どこから飛ばしても、必ず戻ってきた。鳩は彼にとても懐いていた。
ある日、外出中に空を見上げると、鳩の集団が飛んでいた。「自分の鳩がいる」と直感的に気づいた。理由はわからないが、必ずそこにいると感じたのだそうだ。
見捨てられそうになった雛鳥を、彼は愛情かけて大切に育てたのだ。彼の話を聞いてとても感動した。
世の中を見渡せば愛情に飢えている人が多いようだ。かくいう私も、若いころから愛情に飢えていた一人だったと思う。友人が少なかったり、職場の仲間もあまりいなかったりと孤独な時間が多かった。
仕事を極め、優秀賞をとっても、収入が増えても心の愛情は満たされなかった。
人間学を、両親や人生の先輩方、同世代の経営者、後輩たちから真剣に学んだ。月刊誌『致知』など様々な書物からも学んだ。
そして、周りに与えることを学んだ。見返りを気にせず、時間とお金と体力を使い、知識も知恵も与えていった。
すると、周りからたくさんの愛情や応援をいただけるようになった。自然と心が満たされる日々が続いていることに気づいた。
教え子から「週刊新潮『結婚』のコーナーにて、自分たちの結婚が取り上げられることになった」と連絡があった。
しがくで学ぶ生徒同士の結婚だ。その記事に、キャリアコンサルティングのこと、学んできたエピソードを載せたいということで、相談をもらった。
さらに、別の教え子はダイヤモンド社で『ビジネスで差がつく論理アタマのつくり方 カンタンな中1数学だけでできる!』を出版することが決まった。キャリアコンサルティングのことを本に載せたいと相談があった。これほど嬉しい出来事はない。
4年前、しがく式をスタートさせたとき生徒たちに伝えたことがある。
「会社としてのサービスの展開は日本の主要都市のみ。その他の地域では、君たちがしがく式を使い独自で展開して欲しい。しがく式のノウハウの利用料などは一切要らない。自由に使えば良い。みんなの力で日本中を良くしていくのだ」と。
現在、福島県の復興事業としてしがく式が使われている。また、地元香川県に戻った女性の生徒からは、しがく式を使った事業計画の相談に乗っている。
4年前に伝えたことが実現してきたのだ。これからが本当に楽しみだ。
大学生の就活支援サービス「プレミアムスタイル」も関東だけでなく関西でも大変多くの学生に利用いただき、登録人数は年間5千人にもなった。
日本の大学卒業時の就職者は、年間約50万人。実に100人に1人の学生がプレミアムスタイルの登録者になったのだ。
人が集まり続けるポイントは、与え続けることだ。鳩を育てた大橋さんの無償の愛に学び、目の前の人を幸せにできるように、社員一同、より一層精進していく。
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株式会社キャリアコンサルティング
代表取締役社長 室舘勲
今月のコラムから感じたこと
人が集まり続けるというのは、しがく式を学ぶ大橋さんのような雛鳥にそそいだ無償の愛のように、見返りを気にせず、周りに与え続けること。
すると、周りからたくさんの愛情や応援をいただけるようになる。
目の前の人を幸せにできる人になりたいですね。