こんにちは、村井希衣です。
もうひとつ、夏の体調不良について。
前回までは胃についてお話をしましたが、今回は「脾(ひ)」についてお話ししますね。
東洋医学での脾臓、「脾」とは、西洋医学の脾臓とはまた違って、胃ともとても関係のあるものとされています。
脾という臓器があると仮定して、弁証、診断をするのですが、 胃と脾というのは表裏、裏と表の臓器と東洋医学では考えられています。
夏だからと冷たいものを取りすぎたり、生のもの、それから炭酸飲料や冷たいお茶、飲み物を取りすぎた場合。
このようなときも、胃だけではなく脾のほうが弱ってしまって、 陽虚(ようきょ)、つまり脾の温める力が落ちてしまうということも考えられます。
この陽虚の特徴は、手足が冷たい、そしてお腹を壊すことです。
胃の熱による不調の時には、たとえば下痢をするとお尻が熱くなる下痢なんですが、 脾の陽虚の場合は、水っぽい、シャーというような下痢をします。
食欲についても、胃の熱からくる場合は食べても食べても収まらないのですが、 脾の温める力がない場合にはすぐにお腹がいっぱいになってしまう、食べる気もなくなるというのもひとつの特徴です。
脾が弱ったことで排出する力が足りないので、お腹の中に塊が固まってしまっている状態になります。
胃のあたりや、お腹、下腹部あたりに冷たい塊がドーンとあるというような体の感覚でわかると思います。
この場合、おしっこ(小便)もあまり出なくなって体がむくんできてしまいます。
冷たい水が体の中に溜まろう、溜まろうとしてしまうこの状態が、脾の陽虚、脾の温める力が足りない、 体の水分を動かす力が足りないという状態です。
胃の熱を持っているときには胃を冷ますスイカなどをおすすめしたのですが、 この脾の温める力が足りないときには、反対に温めないといけません。
体を温めるような、番茶、あとはリンゴなども温の果物ですので、リンゴなどを冷たくない常温の状態で少しずつ食べていただくと、状態が治ってくると思います。
こんなふうに、同じひとつの食欲の不調にしても、東洋医学では色々と切り分けることができます。
もっと詳しく知りたいかたは、お近くに鍼灸院などがあれば一度行ってみてください。
そちらの先生のお話を聞かれるとよくわかると思います。
それではみなさん、夏を元気に乗り切ってくださいね。
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