先日は、チェンバロ・クラヴィコード奏者の西野晟一郎さんの「クラヴィコードグループレッスン」に参加して参りました。
親友のえみちゃん(中嶋恵美子先生)宅にて。
2022年8月12日(金)14時スタート。
先月開催された第4回フォルテピアノ・アカデミーSACLAにて、西野さんのワークショップとミニレッスンを受けたとき「これは、実際にクラヴィコードの音の出し方の初歩の初歩を教えて欲しい!」と強く感じ、えみちゃんの発案によりグループレッスンを受けよう!という流れになりました。そして今回のレッスンが実現したのです。
アカデミーの時は、C.P.E.Bachのソナタホ長調の二楽章を持って行ったのですが、最初の数小節でもうギブアップ。
曲としての精度を高めるどころじゃない、良い音を出すコツを一音でも覚えたい…話はそこからだ!と自分で自分に突っ込んだのでした。
↑私は、今回何か曲を見てもらうのではなくスケールのみ。
でもね、スケールを教えていただく以前の問題です。良い音が出ません。良いタッチもできません。ちょっとわかってたつもりでいたけれど、私はわかっていなかったのです。
クラヴィコードはモダンピアノとは全く違うタッチで操作しないと美しい音が出せないと、あらためて痛感しました。
そう…!クラヴィコードは全く違う楽器なのです。鍵盤楽器ということで、クラヴィコードもフォルテピアノもモダンピアノも(もっと言えばパイプオルガンもチェンバロも)ざっくりとひとくくりにされてしまうけれど、クラヴィコードの奏法はクラヴィコード特有のもの。私がいくらモダンピアノでクラヴィコードを想定しながらタッチを研究しようと、やはりそれは根本的に練習にはならないものだったのです。その努力は全く無駄とは言わないけれど、本物の楽器を目の前にして活かそうとしてもそれはお門違いのようで。
そのくらい衝撃的で、でも気づけただけでも超嬉しい体験でした。
えみちゃんは、事前にいろいろと準備をして待っていてくれました。本当にありがとう!
フォルテピアノ製作者の太田垣至さんのクラヴィコード。何度もお世話になっています。アカデミーでも使用されました。
クラヴィコードの調律は持ち主が普段は自分で調律をします。今回もえみちゃんが調律を。でも、グループレッスン前に西野さんがさらに調律してくださいました。一時間かけて念入りに。私たちたった3名のために。
私と友人のH先生は30分ずつ。スケールのレッスン。実際は音の出し方のレッスン。えみちゃんは、1時間レッスン。平易な曲もみていただく予定…でしたが、実際は1時間音の出し方で終わりました。
↑タンジェントと弦の動きと音色の関連性を、繰り返し繰り返し丁寧に教えてくださいました。
自分の打弦時と西野さんの打弦時の、タンジェントの動きと弦の振動のあまりの違いに驚きました。
ところでご存じの方も多いと思いますが、クラヴィコードの発音の構造はいたって単純です。
鍵盤の延長上に真鍮のタンジェント(金属片)が埋め込まれており、打鍵するとシーソーの原理でタンジェントが真上の弦を打つのですが、ただ打つだけでは音色の可能性が頭打ちになってしまうとのこと。う~ん、ただただ弦に負けないように(?!)指先を鍵盤に保持することしか考えていなかった自分に衝撃が走りました。西野さんが紡ぐ一音一音の表情の豊かさといったら。のびやかで遠くまでたなびいていく丸い音色。
クラヴィコードの真骨頂は、絶妙な打弦方法を駆使し、さらには打弦後にも多様な変化が付けられる(べーブングも含めて)ところにあるのだと…実際にレッスンで指導を受け西野さんの実演を何度も見て感じて知ることができました。
打弦をコントロールする自分の指先の柔軟性、効率よく弦に力を伝えるための無駄のない動きを、私も少しでも身に着けたい!
「指先、特に第一関節が真っ直ぐにならないように」
「実際に指先から鍵盤に使える力加減はこのくらい」
「響きを良く聴いて」
「発音した後の音の広がりを感じて」
それこそ実際に、私たちの指を持って打弦方法を教えてくださいます。もしくは、手の甲に西野さんがご自分の指先を乗せて伝えてくださいます。
何度も何度も。
良い音、良くない音、良い動き、良くない動き…。
アカデミーでの西野さんのクラヴィコードとタンゲンテンフリューゲルのコンサートで、私たちは感動に打ち震えましたが、その根底にある音を紡ぐ方法を探る作業を…西野さんは途方もない時間をかけて続けてこられたんだなと感じました。
良い音へのこだわりがハンパない。素晴らしくこだわりぬいた、でも肩の力が抜けている、とても心地よい音色が私たちを包んだのです。その秘密は、このような地味なんだけどとっても楽しい(←わかる人にはわかる)研究の積み重ねなんだなと。でもそれって、誰にもできることじゃない。
調律しています。
今回3人でグループレッスンを受けましたが、グループレッスンはとても効果的!
他の人のレッスンを通じて自分の演奏を客観的に見ることができます。とっても嬉しい発見がたくさんあったので、このメンバーでまたグループレッスンしていただくことになりました。次回は平易な曲もレッスンしていただく予定ですが、私はまだ曲どころではないので、またえみちゃんちにクラヴィコードの練習をさせてもらいに行かなければ!
さらになんとレッスン後はプライベートコンサート。
なんと美しくて豊かな音色でしょう。3人だけのためのミニコンサート。こんな贅沢があって良いのでしょうか?
全員涙腺崩壊。
西野さん、素晴らしいレッスンと演奏をありがとうございました!!
えみちゃん、太田垣さん、貴重な体験の機会をありがとう!
次回も楽しみです。
【余談】
えみちゃんは嬉しいことはみんなでシェアしたい人。そしてサービス精神が旺盛なので、広く一般の方でこのようなグループレッスンを希望される方は、ぜひどうぞと募集しています。もちろん西野さんのご快諾あってのお話です♡
「3名集まれば同じようにこの場所でグループレッスンしていただけることになったので、ご興味のある方は私までご連絡ください」…とのことです。詳細はこちらから!
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