昨日は、東京は渋谷にあるハクジュホールで行われました「鈴木秀美のガット・サロン Vol.12 シューマンの室内楽〈弦の音色、木の響き〉」を聴きに行ってまいりました。
私は小倉貴久子さんの大ファンですが、鈴木秀美さんのチェロも大好きです。この日をとても楽しみにしていました。オール・シューマンプログラム。しかも、以前小倉さんが「昔からシューマンは大好きでした」とおっしゃっていましたから、どんな本番が聴けるのかと期待に胸を膨らませておりました。
開演前から、(…もう今日も絶対素晴らしい演奏に違いない…!)と勝手に確信していたのですが、なんだか切ない予感もありました。それは、”小倉さんや秀美さんの琴線に触れるであろう音色に、果たしてどこまで心奪われてしまうのだろう…”という気持ちです。いやしかし、それは一番贅沢で本当に幸せな瞬間であることに間違いない事も意味します。
…いや、こんなヒト、聴く前からオカシイですよね。(^_^;)
私は自分でも変な私!…と思いつつ、一方ワクワクしつつ、開演を待ちました。
岡本誠司(ヴァイオリン)
成田寛(ヴィオラ)
鈴木秀美(チェロ)
小倉貴久子(フォルテピアノ)
*使用フォルテピアノ:J.B.シュトライヒャー(1845年オリジナル、ウィーン)
(フォルテピアノ独奏)
おとぎの絵本 作品113
(ヴィオラ+フォルテピアノ)
ピアノ三重奏曲(幻想小曲集) 作品88
(ヴァイオリン+チェロ+フォルテピアノ)
ヴァイオリンソナタ 第3番 イ短調 WoO27
(ヴァイオリン+フォルテピアノ)
ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47
(ヴァイオリン+ヴィオラ+チェロ+フォルテピアノ)
岡本さん、成田さん、そして秀美さんの心に沁みるガット弦の響きと、小倉さんのフォルテピアノの深くて甘い音色が溶け合ってなんと美しい演奏なのでしょう…。
一曲目から涙が出ました。
人前で滅多に泣かない私ですが、どうして泣いているんだろう?と自分でも理由がすぐにはわかりませんでした。ただただ、心の奥深くから温かくて切ない何かが滂沱として流れ出てきた感じです。心からあふれ出た何かが、たまたま涙となった…そんなふうでした。そんな経験、滅多にありません。というかできないし、なかったという方が正しいのかも知れない。
感動、の一言では表現できません。
夢中になって最後まで聴きました。
うっとりするほど美しくて、愛がいっぱい詰まっているのに、切ない。
シューマンは、この曲をどういう気持ちで作ったのだろう?
この時一体何を感じていたんだろう。
クララとの愛に喜びに満ち溢れた日々。
自身の病の症状に絶望し続けたその心中は、
いかばかりだったろう。
この時代の音楽の世界の様式美の中に
どんな可能性を感じていたのだろう。
音で表現する至福を誰よりも知っているのに、
生きる喜びと苦悩を誰よりも味わった人。
シューマンの生き様を演奏を通して伝えていただいた、そんな時間でした。4人の演奏者は、いったいどれだけの時間と努力を費やしたのだろう。その音楽作りに懸ける思いは計り知れません。身も心も捧げ尽くす、というのはこういうことを言うのでしょう。
きっと、私のように自分の心の中にシューマンとクララの思いを反映させながら聴いていた人がいたんじゃないかなと思います。小倉さんのフォルテピアノの音色は最初から最後まで深く愛情にあふれ、私の涙は止まらず。秀美さんのチェロは私の心の中にある何かが共鳴しているような、不思議な感覚でした。
アンコールは、シューマンと深いゆかりがあったブラームスの「ピアノ四重奏曲第3番の第三楽章」。これがまた、なんと芳醇で美しいこと…。かくして、私の涙腺は最初から最後まで崩壊しっぱなしでした。演奏会に行って、こんな経験はしたことがありません。
小倉さん、岡本さん、成田さん、そして秀美さん。
心が震える演奏を、本当に本当にありがとうございました。
ハクジュホールは、まるでこの演奏会のために生まれて来たんじゃないかと思うくらい素晴らしい響きでした。
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