昨日は、午後から外出して参りました。
娘サンデーは半日お休みさせてもらい、
日本モーツァルト協会主催の講演会へ。
フォルテピアノ奏者の小倉貴久子さんの演奏とお話
によるレクチャーコンサートです。
「モーツァルトが出会った音楽家たち」(全3回)
~モーツァルトが出会った作曲家と
モーツァルトのクラヴィーア作品に焦点をあてて~
3回シリーズのこの企画。
モーツァルトと関わりのある計20人の作曲家の作品を
紹介。モーツァルトの作品と聴き比べながらの講演です。
できれば全部行きたかったのですが、第1回と今回
の第3回のみ、私は行くことができました。
(参考記事→モーツァルトが出会った音楽家たちⅠ)
さらに嬉しいことに、お友達のチェリスト・安大登志子
先生とご一緒に。
モーツァルトが出会った音楽家たちは、
現在名も作品も知られている作曲家ばかりでは
ないということ、そしてその作曲家たちが、
モーツァルトとどのように関わり、影響を与えた
のか…実に興味深いお話でした。
お話を聞くだけではなくて、その作品たちを実際に
目の前で演奏してくださるのです。
さらに、関連する室内楽演奏の音源も聴かせて
いただきました。
私は小倉さんの演奏が大好きなのですが、
(ご存じの方はご存じですね♡)
芸術的で美しい演奏に加えて、非常に興味深くて
わかりやすいお話も大好きです。
実際に小倉さんが研究をされ、モーツァルトのどの
作品に、誰の作品がどのように影響を与えたか、
噛み砕いてお話してくださいます。
モーツァルトは天賦の才能の持ち主だったわけです
が、同時代に生きた作曲家たちの作風の良さを、
貪欲に勉強し、自らの作品に取り入れていったの
ですね。そこのところを、私はまだそんなに知って
いませんでした。
モーツァルトに関する情報や文献を紐解かないと
いうことではないのですが、やはりまだまだ不勉強。
目先にある楽譜にかじりついて(泣)、いかに
”モーツァルトらしく”演奏したらよいかばかり考えて
いる自分は…まだまだ小さい。
今回登場した作曲家は、以下の8名。
W.A.モーツァルトWolfgang Amadeus Mozart (1756~1791)
G.C.ヴァーゲンザイル Georg Christoph Wagenseil (1715~1777)
J.ショーベルト Johann Schobert (1735~1767)
J.G.エッカルト Johann Gottfried Eckard (1735~1809)
J.ハイドン Joseph Haydn (1732~1809)
Ch.W.グルック Christoph Willibald Gluck (1714~1787)
G.F.ピント George Frederick Pinto (1785~1806)
F.X.モーツァルト Franz Xaver Mozart (1791~1844)
(↑私の書き込みがきたなくて(^_^;)ごめんなさい。
左ページは小倉さんが演奏してくださった曲目
(すごい…。先週演奏会で演奏して、来週も本番が
おありなのに、この曲数と内容…!)、右ページは
関連するCD音源の曲目です。
小倉さんの美しく深みのある演奏は、それを作り上げる
のと同じか、それ以上の時間をかけて良く研究をして
こられたからこそのものなのだと…あらためて知った
気がします。
何しろ内容が濃い。まるで論文発表を聞いているよう
だと感じました。しかもすごくわかりやすい。
この「モーツァルトが出会った音楽家たち」の講演会は、
そのまま書籍になってもおかしくないと…勝手ながら
思った次第です。
それほど面白かったし、それほど私たちに必要な情報
でしたし、形に残して欲しいものだと。
全国の、たくさんのピアノの先生方に知って欲しいと。。
今回は演奏会ではなく講演会なので、
フォルテピアノではなく、会場(代々木・アトリエムジカ)の
ベーゼンドルファーで演奏されました。
ピアノを弾いては、マイクを取ってお話になり。
休憩はたった10分。二時間半の濃密な時間。
感想は一言では言い表せないです。
最後に、モーツァルトの息子であるフランツ・クサーヴァ―の
お話と演奏を。
全て語った後、小倉さんがおっしゃいました。
「モーツァルトの手紙などを読み解くなかで、
彼が生きた時の時代感、モーツァルトの優れた点も
もちろん、いろんな一面を知ることで、もっと深く
彼の作品に踏み込むことができると思います。
そうすると、モーツァルトとの、私たちの音楽生活が
もっと楽しくなります。
モーツァルトのまわりの作曲家を知ると、より
モーツァルトが楽しめます。」
「価値観を崩すというのは勇気が要ることですね。
でも、私は自分の中で作りあげてしまっている価値観
を崩したいのです。
”こうあらねばならない”という価値観を。
作品に対して”素のままで触れてみたい”…そういう
姿勢でいたいと思います。
価値観を崩すことで、間違うこともあるかもしれない。
…それでも、そうありたいと願っています。」
なんと貴重な言葉でしょう。
この言葉を聞いて、小倉さんのあの潔い演奏のわけが
一つわかったような気がします。
小倉さんの演奏は、守りに入っていないといつも感じます。
常に良い冒険をされている。
聴き手にも、「この先どうなるんだろう?」というワクワク
した気持ちを抱かせてくれる演奏。
緻密な計算も研究もされた上での、音作りをされている
はずなのに、聴く時はいつもまるでそこで今生まれた
かのようなみずみずしい音色が広がります。
私が小倉さんの演奏が好きなわけは、そこにあるように
思うのです。
聴いていていつでも心地よくなれるのは、やはり小倉さん
自身が作曲家も作品も楽器も一途に愛していらっしゃる
から。
音楽を心から楽しむ真の方法を知っておられるから。
小倉さん、私はとても幸せです。
こうして小倉さんの演奏と研究の成果を、直接体感させて
いただけますもの。
今回も、素晴らしい演奏とお話を本当にありがとうございました。
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