「せっかく二人一緒になったのに~!はがさないで~(笑)。」
…私の教室にも、大人の生徒さんが何人か在籍されています。
その中のお一人、Sさんのレッスンでのこと。
Sさんは、こちらでも何度もご紹介していますがバッハが大好き。
ピアノは大人になってから初心者でスタートしましたが、以前
他の楽器を演奏されていたこともあり、音楽の作り方は身体で
わかっていらっしゃいます。
もちろん基本的な読譜の仕方や楽語等の理解もできています。
アンナマグダレーナのためのクラヴィーア小曲集や、
プレ・インヴェンションからスタートし、バッハだけでなくバロック
時代の他の作曲家の作品をコツコツ弾きためて、過去にこなした
課題もかなりの数になっています。
今の課題はインヴェンション2番。長い時間をかけて練習に
取り組んでいます。
前回のレッスンでは、かなり両手で弾くことに慣れてきました。
でもレッスンで私のグランドで弾く時、お家での様子と違うので
戸惑いがどうしても音に表れてしまいます。
それは誰もありますよね。
場所が変わったり、楽器が変われば緊張もするし、普段しない
ような音の出し方を思わずしてしまったりも・・。
しかし両手の難しさはそれだけではないです。
両手に入ると、ついつい片手練習を省いてしまいがち。
両手ばっかりやっちゃう(苦笑)。そのお気持ち、わかります。
だって折角両手になったんだもの、何度だって弾いてみたい。
だけど、そんな時こそ片手練習に取り組んでから両手~の
繰り返しの方がいいですよと申し上げたんです。
Sさんの右手パートに私が左手パートを合わせる×3回、
Sさんの左手パートに私が右手パートを合わせる×3回、
前回のレッスンでこのような練習を。
家ではお手本の録画に合わせて片手の練習を3回ずつして
みてくださいねとご提案。
両手での響きに耳が慣れてしまってきているので、
「先生、難しいです~。片手だと弾けない~」
と。そして冒頭のセリフに繋がるのですが、Sさんは苦笑いしながら
「だって、やっと二人(=右手と左手のこと)が一緒になったのに~
ひっぺがえさないで~!」
…ああ、わかります、わかります。
私も笑いながらそうですよね~と。でもやってみてくださいと、
前回のレッスン後に送り出しました。
そうしましたら、今回のレッスンでは見違えるような演奏に
なりまして。
どんな風に見違えたのかというと、たとえつかえても冷静に
どこがどういう風に間違えたのかを自分でしっかり把握できて
いたのです。
…当たり前と言えば当たり前ですが、自力で間違えた箇所を
どう直すかを知るのは勇気が要ることですね。
両手になって見失っていたことを、または見過ごしていた弱点を、
今一度片手練習を集中してやることによって発見したんです。
Sさん、素晴らしい!
片手がさらに充実すると、両手も相乗効果で充実します。
できあがりに近づいて来ました。(・∀・)イイネ!!
(なんだか今回は真夜中に語っていますが(^_^;)…
なぜか止まらないワタシの手。。)
Sさんにも話したのですが、
昨日Facebookで調律師さんの投稿でそうだよね~と共感した
ことがありました。
その調律師さんは、
「ピアノ、アップライトピアノでも、メーカーや機種によっては
本体の色や譜面台の位置、高さ等々、自分のものと違う~
と言う意識が…その数秒後に発せられる第一音にかなり
影響を与えますよね。」
…と。
そうです。動揺しない人はいませんものね。
発表会のような大舞台で大きなグランドで弾くというわけで
なくても、普段我が家で当たり前に弾いている状況とは
明らかに違うわけですから、緊張や動揺(感じ方には個人差
がありますけれど)はあります。
そこを普段の練習でも想像&想定しながら、心と身体の準備を
ピアノ弾きはするわけですが、それでも気持ちの変化は誰しも
感じるはずです。
楽器が変わると、普段通りにはなかなかいかないのが常です。
ピアノ弾きの宿命ですね。
その場にあるピアノに、合わせる努力が要る。
弾きながら考え、いつもと違う響きに戸惑いながらも自分の心と
目の前のピアノの反応との妥協点を見出していく作業。
これも欠かせない努力ですね。その作業にはジレンマ(ああ、
いつもなら上手に弾けるのに~心地よい音で弾けるのに~
でもその音が出せない~うぅ~苦しい~ィというジレンマ)が
付きまといますが、めげずにひたむきに音に向き合う。
難しいことです。
妥協点が本番の一回で見いだせて、うむ納得!の演奏ができる
ことって…どちらかと言うと珍しいかもです。
そう思うのはワタシだけでしょうか(;´・ω・)。
いつも私もジレンマを抱えながら、自分の出す音に満足できない
まま練習しています。
おお、私って素晴らしい!と自画自賛できることってあまりナイ。
私はピアニストではないので偉そうなことは言えないのですが、
それでも…どんなに年月を重ねて弾いていても、納得できる日
って珍しいかも…。
ピアノを習って日が浅くても、何十年と経っていても、Myピアノを
担いでレッスンには行けないですからその場のピアノに慣れるしか
ない。
その難しさはどの生徒さんもあるし、恐らくピアノの先生方だって
それと向き合いながらピアノと仲良くなる方法を探っている。
いやはや、全くピアノっていうものは難しい。でも楽しいから
辞められない。
Sさんの頑張りは、習い始めからずっと絶えることがありません。
毎朝、必ず。ピアノに触れる、練習方法を考えながら弾く。
その努力には本当に頭が下がります。
これからもずっと、Sさんにとってもピアノが心の支えになります
ように。
私が作っている補助教材「ゆびのたいそう」。
Sさんがダントツトップを走っておりまして、ただいま53まで
行きました。
そして昨日はSさんもごほうびゲット!
女子力アップグッズ、白黒のおリボンを。
服に着けたらかわいいですよね♡とお気に入り。
次回のレッスンも楽しみに待っています。
Sさんのピアノも、私はいつも応援していますから。
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