大人の生徒さんの中には、20代の若い子もいます。

幼稚園教諭として2年目のMさん。

そして短大2年で実習真っ最中のMさん。


幼稚園の先生として就職するときに、私の教室の門を

叩いてくれたMさんは、今立派に年中さんの担任として

毎日頑張っています。

スポーツウーマンで、体力が自慢。子供相手の先生はやはり

まずは体力がないとやっていけないでしょう。

「でも、私それしかないんです~」

そうはおっしゃいますが、健康で毎日先生として勤めることが

どんなにすごいことか…!

大学時代から始めたピアノはすごく苦手で、私のところへ通う

ようになっても、

「ピアノは本当に難しいです!ほんっとうに苦手なんです。」

でも担任としてピアノを弾いたりお歌を歌ったりすることは必須。

苦手だからこそ、しっかり習ってなんとかしたい。

そう選択した彼女は今日も仕事帰りにレッスンに来てくれました。

来年は幼稚園の先生になって3年目に突入します。

Mさんの仕事場は人間関係はとってもいいけれど、

とにかくマンモス幼稚園で(ちなみに隣の市)、大人数すぎて

お遊戯会の衣装作りとか、製作物の準備とか、とにかく仕事が

多すぎて大変なんだとか。

Mさん曰く、

「子供が好きなだけじゃできない仕事です。

 でも、好きじゃなきゃできない仕事でもあります。」

現場の大変さを身をもって知ったMさんだからこそ、

このようなことが言えるのだと思います。

自分で決めた道。その言葉には重みを感じます。

そして、それは私自身の姿と重なるところもありました。


さて、次の春が来たら短大を卒業する予定のMさん。

声をしっかり出せるようになりたいと、2年前に私の教室に

来られました。保育士さんか幼稚園の先生になりたくて。

Mさんは小さいころからピアノを習っていて、とても上手に演奏

されます。学校の授業で実技はばっちり。…でも弾き歌いや

伴奏付けはちょっと苦手。

特に声を出す、もっと言えば気持ちを引っ込めないようにする

ことが彼女の課題でした。

声を出すという行為は、ただやみくもに出せばいいというものでは

ありません。

心も身体も開いた状態でないと、のびやかな声は出ません。

彼女の慎重な性格を尊重しつつ、なるべく意識してリラックスする

ことをお伝えしました。

約2年経って、かなり自然に声を出せるようになりました。

短大生は2年間にやることが凝縮してますね。

2年生は特に実習の連続で、息つく暇もない感じを受けました。

実習中、私が一番心配したのが”声枯れ”。

子供を相手にするお仕事をするとき、発声にも気を付けないと

(大きな声を出して子供に伝えることばかりが指導ではないから)、

そしてコントロールすることを忘れず、また休息もうまくとらないと

声帯に負荷がかかり過ぎてしまいます。

今までの生徒さんの事例を思い出しつつ、そう直感していました。

実習中の声の使い方について、注意点をしっかり伝えたつもり

でしたが…やっぱり、Mさんかなり声を枯らして帰って来ました。

まあでも何事も身をもって学ぶことが大事だから、仕方ないですね。

しかし、どうやら声だけではなくて気持ちも使い過ぎてしまったよう

です。次々と実習に行かれましたが、どうやらこの職業は自分には

合わないかも知れないと先日話してくれました。

仕事は別のものを探したいと思います、と。

これは勇気がかなり要ったことだったでしょう。

それでも自分でそう決めたようでした。

どんな仕事が自分に合っているのか、悩むでしょうね。

だって誰も正解を持っていないから。

自分で決めてまずは進んでみること、自分の心に正直になる

こと。それが一番大事かな。


もう一人、今はもう教室を卒業して2年ほどたつSさん。

障害者施設(自閉症や知的障害をお持ちの成人の施設)へ

就職を決め(当初は保育士を目指してピアノを習いに来て

いました)、元気に生き生きとその施設で働いています。

自分で自分の行く先を決める。

単純なようでものすごく悩むことですね。

なんでもやってみないとわからない。

20代なのだから、まだまだみんな冒険も挑戦もしていいよ。

頑張って…!

秋空


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