2年前の3月11日、午後三時前…。
私はちょうどレッスン前の準備をしていました。
いつもと変わらずに、
(あの子にはこれ、そうそう新しい生徒さんには…)
などと確認しながら、レッスン室と楽譜の棚を行ったり来たり。
すると、あの揺れが…。
ピアノの傍にいましたが、あまりにもピアノが波打って激しく動くので、
(これはただ事ではない)
と感じ、すぐにリビングの机の下に隠れました。
手には携帯、ドアを開け放ち、TVもすかさずつけて
食い入るように画面を見つめました。
信じられないほどの大地の大きな揺れ、
現実の出来事とは思えないTVからの報道、
不気味なほど静かな街に物が壊れる音や、大きな何かが
バターン!と倒れる音が響く。
…本当に恐怖を感じている時には、声が出ないものですね。
私がその中で真っ先に心配になったのは、
娘のことではなくレッスンに向かっているかもしれない
生徒さんのこと…!
(もし、家をもう出発してしまっていたら?!)
と居てもたってもいられなくなり、
携帯電話と固定電話で連絡をしましたが、通じない。
メールをしたくても、その子はまだ携帯を持っていず、
保護者さまはお仕事でおうちにいらっしゃらない。
焦りましたが、何十回目かの電話でつながりまして
ことなきを得ました。
他の生徒さんにも一斉メールでお休み連絡した後に、
娘のことが気になりました。
薄情な親だと思われるかもですが、
いつも娘を預かっていただいている場所のスタッフさんに
お任せしてますので、無事を祈るしかありませんでした。
もちろん、連絡はしましたけれど…ね。
後で返事をもらった時、
娘はお友達とみんなで散歩中に地震に遭遇。
「みんなで公園でしゃがんで揺れがおさまるのを待ちました。
Jちゃんは、長く揺れるので笑っていました。」
…と。。(x_x;)
危険がわからないと言うことは、そういうことです。
(ねえねえ、これは、なんのあそび??)
とワクワクしていたようです。
普段から学校などで、避難訓練は欠かしていないけれど、
危険を覚えるのは彼女にとって至難の業のようです。
…それはさておき、
”生徒さんに何かあったら大変!”
と危機感が離れなかったあの時。
もう2年も経ちましたが、未だに安心してはいけないと思います。
忘れてはならないことがたくさんあります。
あの時だけの出来事にしないように、
また、私ができうることをこれからも続けていけるように、
元気で生き続けて参ります。
生きること。
生徒さんや家族の心と体を気遣って大事にすること。
命を守ることに繋がるように…。
それは同時に自分の命を守ること。
私一人では大きなことはできませんが、
地に足をしっかり着けて、今をこれからを生きることが、
”あの時”を無駄にしない方向に導いてくれる気がするのです。
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講師 荒木 安子(あらき やすこ)
ピアノ・声楽を教えさせていただいています。
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