ピアノを弾くという作業には、いろんな要素が含まれます。
楽譜を読み、瞬時にそれを鍵盤上で音にする。
右手左手それぞれのパートの違いを認識し、
正しいかどうかしっかりと耳で確認しながら、練習を重ねる。
さらにはその楽曲の良さを引き出すために、
より分析し、よく考え、理想の音を目指して、
表現豊かな演奏に仕上げていく。
…などと書くと、カタイでしょうか?
私は脳科学者ではないので偉そうなことは言えませんが、
それでも、「楽器を演奏する」ことで脳内はフル回転していると
感じます。
もちろん、楽譜にかじりついて演奏しなさいという意味ではなく、
優れた作曲家たちの作品を、自らの演奏で表現できるようになるには、
順序よくさまざまなプロセスを踏んで行かなければ、
結局のところうまくいかないのではないかと思います。
ある程度、機械的な練習も欠かせませんし、
美しい演奏に仕上げるためには、その作品や作曲家への
理解を深めていくことが大事かな、と。
本を読んで知識を得たり、関連する絵画などを鑑賞したり
私やおうちの方と一緒に語り合うのもいい。
もっと知りたい…!どうやったらもっとカッコよく弾ける?などと、
そのあたりは鈍欲に、作品の中にどっぷりと入り込んで欲しいですね。
そういう欲はいくらあっても良いと思います。
一つの作品を習得するまでには長く時間がかかります。
大曲でしたらなおさら…!
しかし、そうは行っても一日の時間は有限。
指が思うように動かない時も、
いくらやってもいい音が出ない時もあるでしょう。
イライラしている間に、なんだか一日が終わっていく…
ああ、一日26時間あれば!(笑)…などとため息をついてみたり。
またこれは習い始めの方に多いのですが、
「声に出して、音を読む・歌う」という過程を抜かして、
充分楽譜が読めないけれどすぐ弾いてしまうこと。。
いつも指導させていただく時、どの生徒さんにも
「声に出して読むことはとても大切ですから、歌ってから弾いてくださいね」
と申し上げます。
①階名で歌う (音程をつけずに読む→音程をつけて歌う)
②片手ずつゆっくり弾く
③慣れてきたら両手でゆっくり弾く
と楽譜にも書いて(その生徒さんにより、回数を指定することもあります)
ご家庭での練習に役立てていただいています。
それが習慣になってきたら、あまりくどくど書きませんが。
”歌う”ことは、ピアノを弾く上でも非常に大事な要素ですね。
最終的には、心の中で歌いながら演奏するのですが、
やはり”実際声に出す”作業も欠かせないのではないかなと
感じます。
私の教室には、ピアノと歌の両方のレッスンを受けている
生徒さんがいらっしゃいますが、
その方は、”自分の声”で音を作り出すのに慣れているせいか
ピアノでの表現力にもすばらしいものがあります。
決して楽譜を読むのが得意ではないのですが、
この曲はこういう曲♪こんな音が出したい、という気持ちが
比較的短い時間で良い音を出せることに繋がっている気がします。
やっぱり、何事も基本は”歌”なんだな~!
長い時間をかけて変化してきたその生徒さんの演奏を聴きながら、
あらためて、実際に”歌う”ことの重要性や
すばらしさに気づいた私でした。
歌のつばさに あこがれ乗せて
思いしのぶガンジス はるかのかなた
うるわし花園に 月は照りはえ
夜の女神は 君をいざなう
夜の女神は 君をいざなう
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講師 荒木 安子(あらき やすこ)
ピアノ・声楽を教えさせていただいています。
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