私がピアノを初めて買ってもらったのは、7歳の時でした。


それまでは、音楽教室のグループレッスンでオルガンを


弾いていましたので、ピアノのタッチに慣れるのは、とても大変でした。



個人レッスンでピアノを教えてくださった I 先生は、


優しく、時には厳しく、そしていつも根気強く指導して下さいました。



ピアノを買ってもらう前に、母から


「絶対にやめないのなら、ピアノを買ってあげるね」


と宣言されましたので、子供なりに


「よし。絶対やめないぞ。」メラメラ


と心が引き締まったのを覚えています。



ピアノの音色は、とてもきれいで毎日弾くのが楽しみでした。


ですが、幼いころからピアノに慣れ親しんでいる同年代の子に比べて、


上手ではなかった私が「いい音」を出せるようになるまで、


何年もかかりました。



無我夢中で練習するうちに、少しずつ上達し、


小学校高学年になったある日のレッスンでこんなことがありました。


その日、ブルグミュラーの最後の方の曲がしあげになっていたので、


私は先生の前で、意気揚々と自信を持って弾きました。



先生は、


「…安子ちゃん、とてもよくなったけどまだマルはあげられないな。

 もう一息、頑張ってきてね」


と、残念そうにおっしゃいました。


私は、「絶対マルをもらえる!」と思い込んでいたので、


愕然とし、ショックで泣いてしまいました。しょぼん


…次のレッスンの子も横で聴いていたのに。


とても悲しく、悔しく、恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。ダウン



それから一週間、一から勉強しなおしました。

先生はなぜマルをつけてくれなかったのか?

何がいけなかったのだろう…?

自分自身に問いかけ、考え、試行錯誤しながら、

一音一音丁寧に弾きました。



そうして迎えた次のレッスン、私は静かな心で弾くことができ、


マルをもらえました。先生の晴れやかな笑顔とともに…。



今でもこのレッスンのことは、鮮明に覚えています。



後に私が音楽講師になってから、あの時先生がおっしゃった

「もう一息」の意味が、わかったような気がします。

きっと、飾る心ではなく、素直な心で弾くことの大切さを、

先生は私に学んで欲しかったのだと思います。



やすこ先生の日記帳





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