昨年秋になりますが、私のふるさとに帰郷した折に、


ずいぶん久しぶりに浜松市楽器博物館へ行きました。



今日は、この「浜松市楽器博物館」のお話です。


この博物館では、世界中のさまざまな楽器を展示し、


楽器や音楽を通して世界の人々の文化を紹介しています。



西洋音楽の楽器の博物館は国内だけではなく、


外国でも多くありますが、


アジアの楽器、アフリカの楽器など、


身近に見たり聴いたりなかなかできないものも、展示されています。



常設展に加え、特別展、企画展、レクチャーコンサート、ワークショップなどなど、


楽器に関してあらゆる方向から情報を発信し、


そして更なる情報を世界各国から収集しています。


世界でも最大規模であり、第一級の楽器博物館です。



常設展示だけでも、一日では見つくせないほどの、膨大な数です!


特に、私のような職業の人にとっては、


毎日通ってうっとりと楽器の世界に浸りたいくらい、魅力的な場所です。



やすこ先生の日記帳-浜松市楽器博物館


鍵盤楽器のコーナーを、少しご紹介しますね。


ピアノの原型となったものは何百年も昔からありますが、


はっきりとそれとわかるご先祖様は、


チェンバロ(ハープシコード)、クラヴィコード、ダルシマーです。


(それぞれの楽器の構造については、またいずれ・・・!)



この「ピアノ」の発明者であり、チェンバロ製作者としても有名であったのが、


”バルトロメオ・クリストフォリ”(1655~1731/イタリア)です。



その楽器は、


”グラ―ヴェチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ”


(弱い音と強い音が出る大きなチェンバロ)と呼ばれ、


1709年までに4台製作されました(・・・ただし、これは現存しない)。


その後に製作されたクリストフォリのピアノは、世界に3台現存しています。


(ニューヨーク、ローマ、ライプチヒ)



やすこ先生の日記帳


この3台のクリストフォリ製のピアノをもとに、


「KAWAI」によって1995年に復元されたのが、この写真のピアノです。


「KAWAI」の職人さんの仕事はすごい!



復元当時(1995年)には、まだその音色を聴くことはできませんでしたが、


今回は学芸員のお姉さんが、実際弾くところを見て、聴くことができました。



美しい~~。そして、なんと繊細な音色。


そしてその名の通り、強弱がつけられる仕組みは、


当時はどんなに画期的だったことかと、私は思いをめぐらせました。



チェンバロが主流だった時代に、この”ピアノ”という楽器は、ものすごく斬新で、


人々に受け入れられなかったそうです。


(・・・チェンバロは音の強弱をつけることができませんが、


とても優雅でより繊細な音がします)



なんでもそうですが、誰でも、


始めから新しいものを受け入れるのは難しいですよね。


それはきっと、昔のヨーロッパの人たちも同じだったのでしょう。


みんなまずは、見慣れないものを倦厭するのですよね。



でも徐々にその良さが認められ、”ピアノ”は人々の心に浸透して行きました。


そしてさらに時は流れ、”ピアノ”という楽器は飛躍的に発展し、


現在の形になりました。



私たちが、毎日弾くピアノは、すでに完成された形と言えるでしょう。



長い長い楽器の歴史の中で、たくさんの人々が、知恵を出し合い、改良を重ね、


このすばらしい楽器を生み出してくれたことに、私は改めて感謝したのでした。



やすこ先生の日記帳-浜松駅

(↑JR東海道新幹線・浜松駅の中にピアノ♪)





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