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那覇市のフラワーアレンジメント教室 Cielo Azul~シエロアスール~
新垣(しんがき)明美です。
我が家には、読みかけのまま忘れ去られてしまった本が何冊かあります。
読みたいと思って買ったはずなのに・・・。(それとも、それほど読みたいわけでもなかったのかな?)
たまたま目についた一冊を引っ張り出すと、一気に読み終えました。
『和菓子のアン』
さて、この物語の舞台になるのは東京のとあるデパ地下にある和菓子店。
デパ地下の、日頃目にする華やかな表の顔とは違って、その舞台裏を覗き見しているような感覚。
それぞれの店での店員さんの動き、そこで使われる隠語、社員食堂や地下の従業員専用の出入口、「忍者の隠し部屋」のようなお客さんには表示されない階の存在。
それもなかなか興味深い。
そんなデパ地下の一角にある和菓子店でアルバイトをすることになる主人公。
和菓子に関する専門知識は全くなく、私も主人公と一緒にたびたび新鮮な驚き(感嘆)を味わいながら読み進めていきました。
物語は、和菓子にまつわる様々な謎解きを絡めながら、主人公・杏子(通称アンちゃん)の人としての成長や人間模様を描いていきます。
和菓子に、こんな素敵な物語が秘められているとは思ってもいませんでした。
皆さんは、和菓子と言えば何を連想しますか?
どら焼きやお団子、大福のような庶民的なお菓子もあれば、落雁のような上品なお菓子、今の季節なら水羊羹でしょうか。
私は、和菓子と言えば季節の風物を色鮮やかに表現した上生菓子が目に浮かびます。
その色や形の美しさ、付けられた名前の風情。
上生菓子に付けられる名前のことを、「菓銘」というのだそうです。
この本では七夕にちなんだお菓子として「星合」や「鵲(かささぎ)」、秋をイメージした「松露」「跳ね月」などが出てきます。
菓銘について調べてみると、「和歌や物語、花鳥風月、地域の歴史や名所、年中行事にちなんでつけられる」のだそうです。
源氏物語や古今和歌集に由来する菓銘もありました。
そして花の菓銘をもつ菓子も数多く「桜」、「桃」、「紫陽花」、「椿」、「百日紅」などなど
上生菓子「百日紅」
こんな小さなお菓子に、何百年もの時を経た物語や、四季の移ろいが表現されているのですね。
この物語の中で私が特に興味を持った上生菓子は「光琳菊」
江戸時代中期を代表する画家、尾形光琳と関係あるのかなと思ったら、やっぱりそうでした。
光琳が描いた、丸の中に点というシンプルな菊の図案は、上生菓子のデザインとしてよく使われるのだそうです。
気になって「光琳菊」という菓銘をもつ上生菓子の写真を探してみると・・・ありました!
でもこれが「菊」?
ぽってりとしていてまん丸で、どこにも菊の花びらはなくて・・・どう見ても菊の花には見えませんが。
けれど和菓子に詳しい方なら、この光琳菊が店頭に並ぶと「秋が来たな~。」と感じるのでしょうね。
四季の移ろいを繊細に表現する和菓子の世界。
自然を感じそれを形として表現していくという点で、フラワーアレンジメントと共通のものを感じました。
和菓子と深い関わりのある茶道と、花(茶花)もまたつながりがあるので、根底に流れるものは同じなのかもしれません。
視覚的にも味覚的にも楽しませてくれるだけでなく、その奥深い世界に存在する物語は、新しい発見への興味を喚起してくれそうです。
暑い夏の午後。
今日は、涼し気な「夏思い」という菓銘の和菓子をいただきましょうか。
上生菓子「夏思い」
最後までお読みいただきありがとうございます。
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沖縄県 那覇市のフラワースクール Cielo Azul~シエロアスール~の新垣明美でした。
■レッスン料金
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入会金¥5,000 +レッスン料¥5,000
※全て花器・花材込みです。
※詳しい内容については下記の「メニュー」をご覧下さい。
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