「光芒」 | イナバイズムのススメ

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B'z・稲葉浩志の詩(詞)の世界にふれて勝手に何かを学んじゃおう!

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B'z 16thアルバム ACTION に収録されています。

ACTION ツアーでの演奏のインパクトがあまりに強すぎてすっかり忘れていましたが HINOTORI でも演っていたんですね、そういえば。

2014年にファンクラブ会報誌で行われた《まだ自身は聴いたことがないけれど、いつかLIVE-GYMで聴きたいと夢見ている曲》のアンケートではアルバムのみの収録曲ながら堂々の4位。

2017年に行われた同会報の「LIVE-GYMで聴きたいB'zナンバー」では何と2位に輝いているそうです。

やっぱりそうなりますよね〜?ww…って簡単には同調出来ないほどのネガティブな詞が特徴です。

皆さんネガティブ稲葉詞が大好きなんですねww

もちろん私も大好きですけど(笑)☆

これほど何度もネガティブと書き連ねるほど、B'z 史上最大級のとんでもない絶望感の中でほんの少しだけ見える希望の光。

この希望の光を本作品では、タイトルの「光芒」と呼んでいます。

ちなみに「光芒」という言葉はタイトルだけに遣われており本詞中には登場しません。

【光芒:光のほさき、彗星などのように尾を引いて見える光の筋】という意味になります。

「光芒」の意味通り見える希望の光はほんのわずかなものです。

どこまでもネガティブな詞(笑)

神曲と呼ばれているにも関わらず内容は至ってシンプルで詞の八割以上が "主人公が現状を嘆いている" 状態です。

難しい表現は特にありませんが少し補足説明だけしておきます。

何にでも なれる気がしていた 蒼く光る時代

むなしいBlue 僕を包み込んで 行く道を閉ざそうとする

「蒼く」「Blue」

昔の記事でも書きましたがこのふたつの青の表現の意味はまったくの別物です。

「蒼く光る時代」 "蒼く" は若さの象徴。

「むなしいBlue」 "Blue" は憂鬱の象徴となっています。

またネガティブ詞の中で輝きまくっている秀逸フレーズにも触れておくべきでしょう。

みずみずしい未来が ひからびてゆく

「未来」という時間の概念に「みずみずしい」という形容詞の使用は学校では教えてくれませんでしたけど?ww

しかもそんな「未来」「ひからびてゆく」

いやはや、この作者には一般人の固定観念というものを一切感じられませんねww

相変わらずのこの語彙力には感服するしかないでしょう。

絶望的な詞の中で個人的にほんのちょっと元気が出る(?)のが以下のフレーズで、シンプルでストレートな言葉ながら結構好き♬

大切な人と別れること ひとりぼっちになること 誰かに笑われてしまうこと 欲しいものが買えないこと
何を嘆いているのか もう一度確かめて

あれ?少しだけ元気出ません?ww

自分を見つめ直せるというか、全部がダメなわけじゃないんだって思い直させてくれるっていうか…

まぁ、元気が出るかどうかは個人差があるかもしれませんが、ほんの数行で私たちが抱える憂鬱の原因をほぼすべて言い当てているのは驚きでしょう?

あまり目立たないかもしれないけれど本詞はさり気なくいろいろ凄いんです‼︎

しかしこれまで挙げてきた名曲の名曲たるいくつかの所以は、ラストのこの神フレーズのためのほんのプロローグでしかありません。

むなしいBlue 僕を包み込んで 行く道を閉ざそうとする 自分を救う それは自分なのか?
今さら答えはいらない
消えないTruth すべて請けおって 半歩でも 進めるなら 景色は少しずつ変わってゆく
光を求め 歩きつづける 君の情熱がいつの日か
誰かにとっての 光となるでしょう
誰かにとっての 兆しとなるでしょう

私が特に皆さんにオススメしたいフレーズは消えないTruth すべて請けおって 半歩でも 進めるなら 景色は少しずつ変わってゆくという部分。

本当に人生ドン底を感じた時、あるいは後にも先にも進めないくらい追い詰められた時に、救いとなりうる素晴らしい言葉です。

特に年を取ってくるといろいろな荷物を背負い込みますよね。

守るべきものの存在であったり、何かにつけてつきまとう責任だったり、他人からの無責任な期待であったり。

辛くて辛くて身動きが取れなくなった時はこのフレーズを是非思い出して欲しい。

少し気が楽になるよ♬

今あなたにのしかかっている大切なもの、鬱陶しいもの、腹が立つもの、その他もろもろ一切合切抱え込んで、「すべて請け負って」とりあえずジタバタしてみよう。

最初は身動きひとつ出来ないかもしれない。

いや、きっと出来ないと思います。

あれもこれもすべて自分にのしかかってきてどうしたら良いのか分からない。

そういう時って本当に辛いんですよね。

でもそこで諦めたりしないで。

どうしたらいいのか分からなくてもとにかく足掻き続けてジタバタし続けよう。

そうして足掻いているうちにいつか必ず抱えているものの重さに慣れるから。

いつか必ずほんの少しだけだけど動けるようになる瞬間がやってくる。

必ず。

その時はどうか顔を上げて辺りを見渡してみて下さい。

ずっと下ばかり見てきた顔を上げて下さい。

その時見える景色はあなたの知っているものとは違っているはずです。

世界のすべてが前よりほんの少し違って見えるはずです。

それはあなたが乗り越えた証。

成長の証です。

そしてそんなあなたの姿が、例えば同じ境遇を抱える誰かにとっての光に、希望になっているはずです。

誰かにとって救いになっているはずです。

そんな存在になれるのは「すべて請け負って」頑張ったあなただから。

辛い時は思い出して。

ひとりじゃない。

お互い頑張りましょう!