まいど~カエルさくらんぼ
生きもの大好きドキドキ絵本講師の
くがやよいです。
 
 
 
先日の記事の続きです。→素敵なのりもの絵本に出会った記事
 
 
この日、新しい扉を開いてくれたもう一冊とはこの絵本です。
 
 
 
 
『ロッタちゃんとじてんしゃ』
リンドグレーン/さく
ヴィーグランド/え
やまむろしずか/やく
 
 
 
 
・・・なんてきれいな表紙!
 
 
 
 
 
 
ロッタちゃんの、このドヤ顔!(笑)
薄いブルーグリーンの瞳もすてきキラキラ
 
 
緑の帽子、赤い服、青い靴下、白い靴、、、なんてお洒落。
荷台には薄汚れたピンクのぶたのバムセも!(笑)
 
そして、桜?ハナミズキの木かな?
舞い散る花びらが
自転車に乗れるようになったロッタちゃんを
祝福しているようです。(お誕生日の話なのです)
 
 
 
スウェーデンの作家、アストリッド・リンドグレーン(1907-2002)
・・・・この人の書く女の子は強い。そして逞しいなぁ!
 
リンドグレーンさんの 子どもに対する思いが
この表紙に現れてるような気がします。
 
 
 
【内容は…】
 
末っ子のロッタちゃんは、何でも兄さんや姉さんと同じでないと気に入らない。
そして自分も同じようにできると思っている節がある。
 
自転車に乗っている兄さんや姉さんがうらやましくて、
5歳の誕生日のプレゼントに、「まだ早い。三輪車に乗っておきなさい」と
自転車がもらえないことを悲しく思うどころか、ある計画を立てます。
 
「あたいの たんじょうびに、もし ほんとうの じてんしゃが もらえなかったら、
あたい、一だい、かっぱらうつもりよー ひみつでね!」
 
 
 
・・・かっぱらう??
 
 
 
ひっさびさに聞いた!この言葉ゲラゲラビックリマーク
 
 
 
おひるねのあと、ロッタは ひとっぱしり
ベルイおばさんが おひるねを しているかどうか、ようすを みに いきました。
 
 
 
ひとっぱしり!(笑)
 
自転車かっぱらいの下見に行ったのに、おばさんは
ロッタちゃんに腕輪をプレゼントしてくれます。
それを腕にはめたロッタちゃんの 
嬉しそうな表情といったら・・・
(自転車かっぱらいを企んでいるというのに。(笑)
 
 
その後、ロッタちゃんは、いろいろなことをしでかしますが、
ベルイおばさんはじめ、
周りの大人たちの接し方がとても素敵です。
威圧的ではなく、怒鳴らず、暴力も振るわない。
 
 
お話の面白さと、
全編を通して あちこちに咲いている
桜のような花や 花びらが印象的で、
北欧の文化が伝わってくる素晴らしい絵に
見入ってしまいました。
 
 
裏表紙。ひっくり返った自転車の前で
肘をさすっているロッタちゃんの 
何とも言えない表情・・・(笑)
 
 
 
ぜひ、読んでみてくださいね!
 
 
 
自転車 =333
 
 
 
この絵本を読んだ翌日。
神戸で開催中のリンドグレーンさんの
「長くつ下のピッピの世界展」に行きました。
 
 
このスウェーデンの作家さんと作品のことを
もっともっと知りたい!と思いました。
 
 
 
(ゆかにおりてはいけません の図!(笑)↑
 

商業施設が閉鎖されているので、ガランガラ~ン。。。
 
 
ロッタちゃんの絵を描かれた
ヴィーグランドさんの原画や
挿絵を描かれた画家さんたちの原画も
見ることができました。
 
 
リンドグレーンさんは、スウェーデンで
子どもへの暴力や体罰を禁止する法律を
作ることにも尽力されたそうです。
 
 
リンドグレーンさんは19歳で妊娠し、未婚のまま
生まれた子を里子に出して一人で働きに出ます。
やがて引き取ることができたのですが、
強く逞しく生きる女の子のお話の根源は、ここにあるのかもしれません。
 
 
やがて、リンドグレーンさんは病気で寝ていた娘のカーリンのために、
「長くつ下のピッピ」のお話を紡ぎだします。
 
 
 
 
 
 
リンドグレーンさんは、このピッピのように
常識にとらわれることなく、権力に屈せず、
正しいと思うことをユーモアを持って貫き通した女性でした。
 
(スウェーデンの紙幣にもなったんですよ!
一番使われる20クローナ札に
微笑むリンドグレーンさんの肖像画が載っています。
どれだけ国民に愛されていたかが分かるエピソードです)
 
 
 
家にあるリンドグレーンさんの作品を出してきました。
 
『ぺーテルとペトラ』
クリスティーナ・ディーグマン/絵、大塚勇三/訳 岩波書店
 
『エーミルと小さなイーダ』
ビヨーン・べリイ/絵、さんぺいけいこ/訳 岩波書店
 
 
『山賊のむすめローニャ』
大塚勇三/訳
挿絵は、イロン・ヴィーグランドさん!
 
 
岩波少年文庫のこの本は、確か、
小学生だった娘に
オットがプレゼントしてくれた本。
 
 
作者を意識していなかったけど、
どの作品も、すっごく面白い!
知らないうちに、リンドグレーンさんの物語に
触れていたんやなー。
 
 
 
 
子ども時代にエストニアからスウェーデンへと亡命した
リンドグレーンさんとの名コンビで知られる
画家・ヴィークランドさんの自伝的作品。
 

『ながいながい旅 エストニアからのがれた少女』

イロン・ヴィークランド/絵

ローセ・ラーゲルクランツ/文

石井登志子/訳

岩波書店

 

 

この絵本も読みたい!(今、図書館で予約中)

 

 

 

 

最後に、展示の中で、特に印象的だったので

メモってきたリンドグレーンさんの言葉を紹介します。

 

 

 

 

「本を手にした子どもはひとり、魂の秘密の空間に、

自分だけの絵を描きます。

そうした絵は、何ものにも勝るものです。

 

人間には、このような絵が必要です。

子どもたちの想像力が絵を描けなくなる日は、

人類が貧しくなる日です。

 

世界で起きたあらゆる偉大なできごとは、

初めは誰かの想像の中に生まれました。

明日の世界がどんなふうになっているか、

その大部分は、

今まさに読むことを学んでいる人たちの

想像力の大きさにかかっています。

 

だからこそ、子どもたちには本が必要なのです」

 

 

アストリッド・ リンドグレーン

 
 
 
 
 
 
 
 
 
買ってきた。
 
 
 
 
 
・・・・ああ、貪るように、読みたい!!