まいど^^
絵本講師の くが やよいです
5・6年生から中学、高校生の
子どもたちと過ごす中で
ふと 心に浮かぶ絵本があります。
それはなぜだろう・・・と考えるとき、
自分の心の中にあるものが
浮かび上がってきます。
今、十代の子どもたちと読みたい!この一冊。
『ももたろう』
松居 直/文 赤羽末吉/画 福音館書店
リアルな中学・高校生の青春と
この『ももたろう』が重なり、
今回、かなり生活実感を伴って
この絵本を読みました。
絵本は自由なもので、
(作品に込められた作者の思いはあれど)
読み方も 解釈も
こう読まねばならない、ということは
一切ありません。
なので、この記事も新解釈ももたろうとして
お読みいただければと思います
🍑
まず、なぜ、十代の子どもたちに
『ももたろう』 なのか。
それは、
主人公のももたろうが
十代の少年だから。
たぶん、9歳ではないと思うし
おじいさんもおばあさんも、
「まだ こどもだから」と
鬼退治に行こうとするももたろうに言ってる。
昔は14~15歳で元服という制度があったから
ひょっとすると13歳かもしれない。
だけどどうやら武士の家ではないみたい。
(私のイメージでは) ももたろうは
ちょうど自立期まっただなかの中高生、
15歳から17歳ぐらいかな〜
桃太郎にもいろんなパターンがあって、
岡山出身の人いわく、
岡山県には70種類位のお話があるらしくて、
中には桃太郎が登場しない「桃太郎」も
あるんだとか!
そして、桃太郎の絵本を何冊も
読み比べてみたけれど、
やっぱり
赤羽さんの絵がダントツに いい!
🍑
桃太郎のお話は、戦時中、
〝鬼畜米英〟をやっつける、
戦意高揚のために利用された
悲しい歴史がある。
敗戦後、占領軍が入ってきて
国家主義的なもの、軍国主義的なものを
徹底的に排除した影響から
戦時中のイメージの反動で
桃太郎が語られなくなってしまった。
そういう歴史があるからこそ
今、語りたいし、読みたい。
まっすぐに子どもたちに伝えて、
お話を本来の昔話に浄化したい
と思う。
この絵本の解釈はいろいろあるみたいだけど
私は
大人の解釈で がんじがらめにして
こんな素晴らしい昔話を子どもに届けないのは
もったいないなあ、と思っています。
(その②に続きます)