久保山、清水が丘のある丘に、ふたつ、歴史のあるトンネルがある。
まずは、大原隧道。
平戸桜木道路、南太田駅の先、杉山神社の横を丘側に入る。
簡単に書いたが、実に判りづらい。
こんな山に向かう細い道が、どこに続いているのかと思うと、
このような、立派な意匠のトンネルが現れる。
これが、大原隧道だ。
関東大震災の復興事業で、1927(昭和3)年に開通した。
このトンネル内部には、
蒔田・磯子方面への水道管が埋設されているという。
土木学会推奨土木遺産、横浜市認定歴史的建造物に、選ばれている。
幅は2.44メートルしかなく、当然歩行者専用、
長さは254メートルとかなり長い。
地元の人は毎日利用しているのだろうが、
ここを歩くのは、なかなか面白い経験になる。
夏でも涼しそうだ。
トンネルを抜けると、清水が丘公園に出る。
出口近くに合った説明板によれば、
印象的なこのデザイン、
紫色に見える煉瓦はフランス積とし、
門柱のように花崗岩を配しているとのことだ。
この先、清水が丘から、岩井町方面への道を進んでいく。
すると、またもトンネルが現れる。
東(あずま)隧道だ。
東隧道は、大原隧道の2年後、1929(昭和5)年に開通した。
ほぼ同じ時期に、同じ目的(水道管埋設)で建設された、
兄弟のような存在とされている。
こちらは、幅5.7メートルで、自動車が通行する。
路線バスのルートにもなっているはずだ。
自動車は対面走行で、歩道らしいのはこれだけ。
長さは168.7メートルもあって、通行量も多い。
すぐ横を、自動車がかなりのスピードで走り去っていく。
立ち止まったりすると危ない。
用事でもなければ、あまり通りたくはない。
反対側の出口。
この坂を下りると、そこは東海道、国道1号線になる。
ふたつのトンネルを通って、
大岡川流域から、帷子川の流域に出たことになる。
すぐに保土ヶ谷駅だ。