ダークサイド1963 | fc2 yokohama リターンズ    ★★★★★

 WOWWOWで、黒澤明監督の”天国と地獄”を見た。


fc2 yokohama  リターンズ     ★★★


 1963年公開の作品で、

 ストーリーは、誘拐犯人と警察の攻防を描いた、

 土曜ワイド劇場的な内容である。


 上映時間は、2時間23分に及び、

 警察の捜査や事象の細部まで、丁寧に描写されているのが印象的だ。



 この作品、横浜が舞台で、画面に当時の横浜が出てくる。


 まず、子供を誘拐された(実は運転手の子供)重役の家が、

 浅間台にあるという設定。

 そこを見上げる犯人の家は浅間町にあった。


 そのため、その家の大きな窓から、横浜駅~西横浜駅あたり、

 さらに港が見渡せる。



 そして、終盤、

 犯人がヘロインを入手するために入った店は、

 今はなき若葉町の”根岸家”。

 
fc2 yokohama  リターンズ     ★★★


 ”根岸家”というのは、

 メリーさんを描いた映画 ”ヨコハマメリー”にも登場した、

 24時間営業の大飲食店だ。


 米兵なんかも含め、酔客や店の女など、

 いろいろな客でにぎわっていたそうだ。


 映画の画面でも、尋常じゃない大混雑、盛り上がり振りがわかる。


 1970年代には閉店して、そのあと火事になって、

 今はこのとおり、駐車場になっている。


 一度くらい、行ってみたかったなあ。



 ヘロインを入手した犯人が向かうのが黄金町。


 ”ちょんの間”で有名になる前、もっと恐ろしかったころの黄金町だ。


 当時はヘロインなど、麻薬の中毒患者で溢れかえっていたという。


 作品では、路上に力なく座り込んだ男女や、

 薬を求めてのたうちまわる女の姿が描かれている。 

 まさに地獄絵図といった感じ。


 当然、この場面は現地ロケなどできないが、実際にこうだったのだろう。


 聞いていたとはいえ、ショッキングな映像だった。


fc2 yokohama  リターンズ     ★★★


 今は静かな末吉橋だが、

 その頃は、橋上にヘロインを待つ者が行列を作ったそうだ。



 伊勢佐木町でうろうろする犯人と、刑事のシーンもあるが、

 そのあたりはどうもセット収録らしい。


 

 この作品では、あんまり、横浜いいイメージじゃないな。


 

 ほかにも、在来線の特急こだまや、江の電の登場もあって、

 いろいろ楽しめた。


 もちろん、本筋も面白い。