忙しい!小説が書けません!

 

私の小説を読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。

最近の私ですが、来週いっぱいまでは学校の課題で忙しく、小説が書きたくても書けないという状況なのです。なので現在進行形で投稿している小説ですが、あと5話ほど、再来週あたりから一気に書き上げて、一気に投稿して完結させようと思っております。もう少しお付き合いいただけたら幸いです。

 

 

さて、代わりと言ってはなんですが、次回作の小説の冒頭を少しだけ載せてみたいと思います。

 

今回の小説は時をかける少女をオマージュしていますが、次回は設定から何まですべて私のオリジナルですので、なかなか更新にも時間がかかると思いますし、そこそこ長くなると思いますが、私自身ワクワクしております。百合要素は無しでいきたいと思います。

 

主人公は金村美玖、他の登場人物は二期生のみなさんを中心にしていこうと思います。

 

苦しんで、悲しんで、それでも生きるか、それともやめてしまおうか……苦悩する少女と、それを救いたい少女。そんな青春小説です。

 

 

 

 

So Blue #0

 

 沈みかける夕日が、まだまだ紅葉する気配のない葉っぱたちを急かすように、その表面を朱色に染める。景色を囲う山々の輪郭は夕日で燃え上がり、橋の下を流れる川は、空の紺色と朱色のグラデーションを映し出している。長く伸びる自分の影を追いながら、私、金村美玖は必死で走っていた。友人の富田鈴花との約束の時間から、もう10分は過ぎていた。

 閑散とした駅前の広場、ちらほらと見える人々は疲れ切った顔をしていて、今から家に帰って疲れを癒すのだろうなと思う。辺りを見渡し、鈴花の姿を見つけ駆けつけた。

「鈴花ごめん!部活が長引いちゃって!」

「もぉ、これじゃギリギリになっちゃうよぉ。てゆーか制服のまま?」

「だって家に帰る時間なかったんだもん、しょうがないじゃん。」

「えぇ~、じゃあこれ着ときな。」

そう言って鈴花は、羽織っていた黒いパーカーを私に渡した。

「じゃあ急ご、もう電車来るよ。次逃したら30分後。」

「オッケー、急ご。」

 なんとか電車に乗ることができた。乗客の数はそれほど多くないが、ちょうど二人座れる席が無かったから、私たちはドアのところに寄りかかって立っていた。

 私たちの住む街は、東京の西の端にある青梅という街。電車の数は少ないし、車窓から見える景色といえば、古びた低い屋根の家々と、どこまでも続く山、そこから流れて来る大きな川、ここが東京であるということが信じられないほどの田舎だ。ここを、自然に溢れるノスタルジックな街と、親しみを込めて呼ぶ人たちもいるけれど、17歳の私達女子高生には、あまりにも退屈すぎる。

「ほらこれ。フリマサイトで見つけて買えたんだよ。」

鈴花が持っていたのは、私たちが今推しているインディーズバンドのCD、ライブ会場でしか手に入らない、しかも何年も前の珍しい物だ。

「嘘!?良いなぁ!聴こ聴こ!」

私は鈴花からCDを受け取り、カバンの中から取り出したモバイルCDプレーヤーの中に入れた。今時、音楽なんてスマートフォンでいくらでも聞けるのに、なぜこんなに古いものを使っているのかと言うと、こういうのをあえて使うのが、最高にイケてると思っているからだ。私たちは一つのイヤホンを二人で分けて、プレーヤーの再生ボタンを押した。

「やっぱ今時はシティポップだよね。」

「うん。まぁこれはアシッドジャズとも言えるけどね。」

「確かにジャミロクワイっぽい。美玖こういうの好きだよね。」

都会的なおしゃれなメロディと、エフォートレスで気だるいリズム。それは、この車窓から見える景色とは、あまりにもかけ離れていた。