小学校最終学年の最初に、湯田先生が教卓の上に、小さなトロフィーを置いて、話し始めた。
「この一年間、クラスの全員がとにかく何かでNo.1になろう」。
足の速さ速さNo.1
力持ちNo.1
計算(暗算)No.1
走った距離No.1…
対象は何でも良くて、特筆すべき成果や技量、努力など、湯田先生の独断で「これは」と思った生徒を表彰し、トロフィーにペナントをくくりつけてくれた。
必ず全員に一度はスポットライトが当たる舞台を用意してくれた。
気後れで運動神経も鈍いヘタレだった僕は、最後の最後までNo.1になれずにいた。
卒業式の予行練習が始まろうか、という時期に、ようやく僕の名前が記されたペナントがトロフィーに括り付けられることになった。
僕がNo.1になったのは…
『この一年間で一番背が伸びた人』
だった。
まったく、思ってもいなかった。
体育で隊列を組むと、一番前かニ、三番目が定位置だった僕にとっては、何気に一番嬉しいNo.1だった。
無事、クラス全員がNo.1に輝いて、胸を張って卒業することができた。
ただ、それ以降身長は、あまり伸びず、現在に至る…
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