師走の街で思わぬクルマを見かけました。
当時日本車が席巻していた北米で日本車に対抗すべく作られた小型車。
クライスラーネオン、恐らく1994年発売の初期型。



本気で日本市場を意識した証拠に右ハンドル。尤も英国や豪州なども右ハンドルですからクライスラーの世界戦略車と言えるかも知れません。



TVCMも大々的に打たれキャッチコピーは「礼を尽くすクルマ」。しかしその内容は日本車を真似徹底的にコストダウン。エキパイからマフラーまで一本物。後席にはパワーウインドウ無し。

ボディ各部の鋼板は薄くジャッキアップすると車体が傷むなど...



パッと見部品点数も少なくボディのチリを合わせ易くする為に巧妙にデザインされています。



当時北米の自動車産業は日本車を本気で恐れていた証拠。自動車だけでなく家電や半導体、コンピュータなど、航空、軍需産業以外は全て日本が脅威でした。



しかしその後日本の産業は自滅。スマホのように米国は中国の産業と連携しトップの座を維持しています。だから中国と米国が戦争なんて...笑っちゃいます。



さて結局クライスラーネオンは日本では売れませんでした。しかし気候の厳しい雪国秋田でこうやってネオンがしぶとく生き残っている姿を目にすると米国自動車産業の底力を感じます。

きっと同年代の日本車より部品入手は容易でしょうね。


ミシガン州出身のイギー。自動車産業の中心地デトロイト。

「自動車工場で最高の音の見本を見つけた。巨大なプレス機が放つ轟音。それを繰り返す」

インタビューで答えた話を思い出します。