地頭力を鍛える | いまここ ~ Seize the day ~

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間質性膀胱炎、便秘、内痔核、冷え症、偏頭痛、うつ病(寛解)などの改善のために行っているウォーキングや読書の記録です。
時々全く関係ないことも書きます。
旧タイトルは「私の愛は宇宙の全ての愛につながっている」です。

 

 

・地頭力を鍛える(細谷功)

 

まずは、第1章で「地頭力」が定義されています。

「頭のよさ」は三種類だそうで、

第一は、記憶力がよく何でも知っている「物知り」の人

第二は、対人感性が高くて人の気持ちを瞬時に察知して行動できる「機転が利く」あるいは「気が回る」人

第三が、数学の問題やパズルを解くのが得意な「考える力」の強いタイプでこれをこの本では「地頭がいい」タイプと定義しています。

 

次に地頭力は上の図(パワーポイントで作ったのでいまいちです。)のような構造になっていて、

①地頭力の直接的な構成要素となる三つの思考力

②それらのベースとなる論理的思考力と直観力

③すべての基礎となる知的好奇心

の三層構造と定義できるのだそうです。

 

まずは問題解決に対する知的好奇心がすべての基本となり、次に地頭力のベースとなるのが、論理思考力と直観力です。

これらをベースとしたうえで、「地頭力」固有の要素が、

  1. 「結論から考える」仮説思考力
  2. 「全体から考える」フレームワーク思考力
  3. 「単純に考える」抽象化思考力

の三つだそうです。

 

第2章では、地頭力を鍛えるツールとして「フェルミ推定」が紹介されています。

第3章では、フェルミ推定の例題を使っていかに地頭力を鍛えるか解説されています。

 

例題は、以下です。

「日本全国に電柱は何本あるか?」

解答に際して、制限時間3分、電卓・PC等は使用不可、一切の情報の参照不可です。

 

例題で試されるのは最終的に出てきた結果の正確性よりもどういう考え方で解答に至ったかの「プロセス」です。

 

解法例が詳しく記述されています。

大幅にはしょって書きますと、 単位面積当たりの本数を市街地と郊外に分け、 市街地の代表的な電柱配置を「50メートル四方に1本」、郊外を「200メートル四方に1本」と仮定して、一キロ平方メートル当たりの本数は、市街地400本、郊外25本とします。

次に日本の総面積38万平方キロメートル、市街地が二割程度と想定して、計算すると3000万本と算出できるそうです。

 

現実のデータとして、電柱の本数は電力会社とNTTから数字が公開されているそうで、約3300万本なのだそうです。

 

なお、日本の総面積を知らない場合は、例えば東京博多間の距離が1200キロメートルと知っていたら、日本地図を長方形で近似するなどして計算するそうです。

さらに東京博多間の距離を知らなければ、新幹線の速度と所要時間などからフェルミ推定するとのことでしたが、私、日本の総面積も東京博多間距離も、新幹線の速度も所要時間もぜーんぶ知らない無知人間でした…やばっあせる

 

第4章はフェルミ推定をビジネスにどう応用するか

第5章は「結論から考える」仮説思考力の詳しい説明、

第6章は「全体から考える」フレームワーク思考力の詳しい説明、

第7章は「単純に考える」抽象化思考力の詳しい説明

第8章は地頭力のベースについて記述され

第9章はさらに地頭力を鍛えるために、ということで、フェルミ推定の応用などで総括されています。

 

(ブログが長くなるので大胆な省略。)

 

9章に「なぜ流れ星は願いをかなえてくれるのか」という項があります。

その前の項が「エレベーターテスト」なのですが、エレベーターテストとは、例えば自分がプロジェクトリーダーだとしてある日偶然社長とエレベーターで一緒になって、社長から「プロジェクトはどう?」と聞かれた場合にエレベーターを降りるまでの30秒でいかに簡潔に要領を得た説明をするかというものです。

流れ星は、ご承知のように流れ星が表れて消えるまでの一瞬に三回お願いごとをしますが、エレベーターテストと本質は同じです。

エレベーターテストでいう「プロジェクト」は、プロジェクトマネージャーがあなた自身の人生そのもの。

そして説明すべき相手は「天の神様」。

 

以下原文をそのまま書きます。

 

もうおわかりであろう。この「神様のエレベーターテスト」に合格するためには、片時も忘れずに願い事を単純に凝縮した状態で強く心に思い続けることが必要なのだ。一つのことをそこまで強く継続して思い続ければ、叶わぬ願いなどないはずがないというのがこの話のメッセージである。スポーツの世界でもビジネスの世界でも、夢をかなえた人たちというのは「神様のエレベーターテスト」に合格した人ばかりなのだ。これには普段から「結論から」「全体から」「単純に」考えることをとことん追求しておく必要がある。

 

なるほど…と思ってしまいました。

 

本書は、ビジネス向けの難しい本ていうイメージですが、自分の考え方の癖を知り、思考力を変えていくという面は、ビジネスだけでなく、普段のコミュニケーションにも応用でき、有用と思いました。