熊本地震が発生して1ヵ月が経過した。
地震は7月28日午後4時27分ごろに発生。
熊本県宇城市や氷川町で最大震度7を観測。
人的被害は死者38人を含め計402人。
熊本県嘉島町所在のイオンモール熊本では爆発事故が起きて店舗従業員7人が死亡。
八代市所在の日本製紙八代工場では高さ80メートルの煙突が倒壊して社員ら9人が亡くなった。
10年前の熊本地震では災害関連死が223人に達し、直接死の4倍以上になった。
今回は、現時点では災害関連死が2人にとどまっている。
鉄道の運休が続いているが九州新幹線は9月18日に全線で運行を再開するとJR九州が発表した。
道路では九州道が8月中旬に全線で通行を再開した。
住宅被害が推計で4万2222棟。
避難者は最大で1万人を超え、現在も2460人が避難生活を送っている。
日中気温が40度を超すような酷暑日も観測されており、避難所での居住環境の劣悪さが心配される。
民間の宿泊施設を一時的な避難先とする2次避難については希望総数の3割程度しか決まっていない。
こうしたなかで高市内閣は旅行支援事業を打ち出した。
金子恭之国土交通相は8月28日の記者会見で、熊本地震で打撃を受けた観光の復興に向けた「九州ふっこう応援割」を10月から始めると発表した。
旅行・宿泊料金の割引率を熊本、鹿児島両県は6割、九州の他の5県は5割とするとした。
能登地震の際も同じだが、自民政権は有力旅館の支援を最優先する。
地震で被害を受けた旅館の修復等にかかる資金について融資が行われるように特段の配慮を行う。
真っ先に観光業界の有力企業支援が行われる。
他方、被害を受けた一般市民は放置される。
自宅が被害を受けて住宅が全半壊して片付けもしなければならない。
能登半島地震では水道の復旧はあとまわしにされ、やっと水道が復旧しても敷地内の工事は各自の負担に任されるため、被災から1年経っても自宅で風呂に入れない市民が多数取り残された。
そもそも避難所の居住環境が劣悪。
国際的には「スフィア基準」と呼ばれる標準水準が定められている。
被災者の人権を守るための最低限の水準を定めたもの。
日本の避難所のレベルはスフィア基準をはるかに下回る。
一般市民は棄て置かれるのである。
ところが、観光業界への財政資金投下は最優先で実施される。
能登地震の際もそうだったが財政資金を投下しての「旅行支援」が展開される。
この財政資金バラマキで恩恵を受けるのは
有力旅館
と
時間と金のある富裕層。
能登地震の場合、被災地の旅館は営業することすら不可能だったから、被災地以外の旅館等への旅行が財政資金投下の対象になる。
広域に対象が設定され、地震で被害をまったく受けていない旅館が財政資金投下で潤うことになる。
旅行支援が定額で実施されず、定率で実施されるから、補助利用者は高級旅館に殺到する。
巨大な財政資金は高級旅館を中心に投下される。
これらの高級旅館が自民党と癒着しているのだ。
旅行支援を利用できるのは時間と金を持て余した富裕層が中心。
こんな災害復興策が正しいと言えるのか。
政治利権丸出しの旅行支援はコロナから始まった。
Go to Travelと銘打たれたが、実態はGo to trouble=トラブルだった。
旅行支援の前に被災者支援ではないのか。
すぐに「ボランティア」が叫ばれるが、災害復興活動こそ国費を投入して国と自治体の責任で実行すべきである。

