いま読んでも意味が大きそうな順に並べました。

◆決着ついたウクライナ戦争。今後どうなる?
https://tanakanews.com/230426ukrain.php
 【2023年4月26日】もうウクライナが勝てないことは確定している。事態を軟着陸させて漁夫の利を得るために和平提案した習近平が勝ち組に入っているのも確定的だ。ウクライナが西部だけ残ってポーランドの傘下に入る可能性も高い。米国と西欧の崩壊が顕在化し、東欧は非米側に転じ、NATOが解体する。ウクライナの国家名はたぶん残る(その方が和平が成功した感じを醸成できる)。ゼレンスキーが生き残れるかどうかは怪しい。EUも解体感が強まるが、国権や通貨の統合を解消して元に戻すのは困難だ。EUは再編して存続する可能性がある。

◆単独覇権とともに崩れゆく米諜報界
https://tanakanews.com/230413intel.php
 【2023年4月13日】欧日など米同盟諸国はこれまで米諜報界の多極主義的な傾向に見てみぬふりをしてきた。米覇権の崩壊が加速しているのに、同盟諸国はいまだに見てみぬふりだ。米諜報界の多極派は、見てみぬふりの同盟諸国を困らせてやろうと最近、米国が同盟諸国をスパイしていることを示す国防総省の機密文書の束を意図的に漏洩させ、騒動を作り出している。

◆意外に早く多極型になる(2)
https://tanakanews.com/230404multipol.php
 【2023年4月4日】米国は覇権を維持しようとしてマクロンやネタニヤフに意地悪したり、プーチンやトランプに司法攻撃を仕掛けている。だが、それらはいずれも頓珍漢な逆効果で、むしろ米国の覇権崩壊と多極化を加速する。この自滅策はひどくなる一方だ。

◆シリコンバレー銀行破綻の影響
https://tanakanews.com/230312bank.php
 【2023年3月12日】今回のSVB破綻が、一直線にもっと大きな金融破綻につながっていくとは限らない。金融危機は、直截的でなく潜在的に危機が継続・肥大化していく。15年前のサブプライム危機からリーマン危機への流れもそうだった。米金融は当時よりはるかに蘇生力が落ちている。SVB破綻で崩壊しかけたシステムを延命させるための当局の資金も減っている。今後しばらく何も起こらず、金融システムがSVB破綻から立ち直ったと喧伝されるかもしれないが、蘇生は見かけだけだ。本質的な脆弱性が隠然と増加し、いずれ再び顕在化し、つぎはもっと大きな破綻を引き起こす。

◆グルジア(ジョージア)反政府暴動の背景
https://tanakanews.com/230310georgia.php
 【2023年3月10日】グルジア政府はウクライナ開戦後しばらく様子を見ていたが、経済を含めた複合戦争の全体でロシアが優勢になり、米ウクライナ側が不利になっていくのを見て、グルジア国内の敵である米傀儡のNGOに対する反撃を開始した。その一つが今回の、資金源の2割以上を外国からもらっているNGOなどに外国代理勢力としての登録を義務づける法律作りだった。親露なグルジア政府を敵視する米傀儡NGOの多くは、米欧から資金をもらっており、この法律ができると登録を義務づけられ、米国側のスパイ・売国奴であることを露呈させられる。

◆銀行救済を口実にQEが再開される?
https://tanakanews.com/230315bank.php
 【2023年3月15日】米金融界では今回の銀行危機を利用して米連銀が銀行救済の名目でQEを再開し、その資金で銀行界の預金流出を穴埋めするだけでなく、利上げ停止とQE再開で債券価格を反騰させ、下がっている株価もテコ入れしてほしいという期待がふくらんでいる。今回の金融危機は、連銀がインフレ対策の名目でQEをやめてQTを進めていることから発生している。連銀が金融危機を止める名目で利上げを停止し、QTもやめてQE再開に転換すれば、銀行の危機は去り、債券や株の価格も反騰する。金融界は、何でもいいから理由をつけてQEを再開してもらいたい。

◆悪化する米欧銀行危機
https://tanakanews.com/230325bank.php
 【2023年3月25日】連銀がインフレ対策として1年続けてきた利上げとQTはいずれも失敗し、インフレがおさまらないまま銀行の連鎖破綻を引き起こしている。利上げもQTも超愚策で、何もしない方がましだった。いったん失われた銀行の信用は回復しない。米国の多くの銀行が、連銀からの資金注入という生命維持装置で形だけ生きながらえている植物人間・ゾンビになっている。名門ドイツ銀行までが、預金者や投資家からゾンビとみなされている。

◆ウクライナで兵器を浪費し尽くし和平を余儀なくされる米国側
https://tanakanews.com/230330ukrain.php
 【2023年3月30日】米欧から全力で軍事支援されてきたウクライナは、支援された兵器や弾薬を思い切り使い続けてしまい、米欧が兵器工場を全力で操業しても武器弾薬が底をつき、米欧自身の防衛力が低下してウクライナを軍事支援できなくなっている。ゼレンスキーは「米欧が追加で武器弾薬を送ってこない限り、戦闘を続けられないし、ロシアに勝てない。中国の和平仲裁に乗らざるを得なくなる」と言い出し、ウクライナ戦争は武器弾薬不足から停戦状態や和平に向かう道(米覇権低下と中露の台頭)が始まっている。

◆中東和平も仲裁する中国
https://tanakanews.com/230419palestin.php
 【2023年4月19日】中国が中東和平をやり出したことは、サウジとイランの和解と連動している。中国が仲裁したサウジとイランの和解は、単に2国間が和解する話でなく、米国の分裂策に巻き込まれて対立してきたサウジとイランが仲良くなり、中国やロシアの協力や後ろ盾を得ながら、米国が破壊してきた中東各地の平和と安定を再構築していく動きだ。パレスチナやシリアの問題解決も、それに含まれている。

◆リーマン以上の危機の瀬戸際
https://tanakanews.com/230317bank.php
 【2023年3月17日】クレディスイスは「大きすぎて潰せない銀行」の筆頭格だ。昨年の危機露呈後、延命しているがかなり脆弱で、今回のSVB発祥の新たな危機の影響を簡単に受けてしまっている。昨秋の繰り返し的に、スイス中銀が500億フランを「予防策」と称して注入したが、それでは足りないという指摘が出ている。クレディスイスが破綻すると、欧米両方の経済に大打撃を与える。それはリーマン倒産以上の衝撃になる。世界は、リーマン以上の危機の瀬戸際にある。


田中宇の国際ニュース解説 無料版 2024年7月14日 https://tanakanews.com/