小説 | けんけんパー

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今回は 名無しさん の文章です!是非!!

 

 

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はじめまして、こんにちは。
最近、自分的にすごく面白い経験をして誰かに自慢したかったので、有り難い企画に飛び付かせてもらいました。

長くなりますが、良ければ読んでみてください。



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「あなたを題材にして小説を書かせてほしい。」


何言ってるんだろうこの人。
昨年の11月頭に、割りと付き合いの長い知り合いの女性から唐突に言われた。


私があまりの意味のわからなさにぼけーっとしてる間、彼女は昔から抱いていた小説家への憧れの気持ちを松岡修造ばりに熱く語ってくれていた。

「別に世に出したいとかじゃなくて、趣味として書きたいだけだから」と付け足された。

自分が小説の主人公とか全くもって想像ができない。
想像はできないけど、なんか面白そうという好奇心でとりあえず小説を書いてもらうことにした。


彼女曰く、小説は私の成長物語で、20ページくらいの短編にする予定らしい。
でも進行状況は色々教えてくれるけど一向に完成しそうな気配は感じられない。
さながら餌をお預けされた犬の気持ちだったけど、きっと小説の私は旅にでも出てそれなりに何かしてるんだろうと勝手に妄想をして気を紛らせることにした。


待つこと4か月。
先日、清々しい顔をした彼女から原稿を手渡された。


彼女の手にした紙の束を見てギョッとした。
とても20枚には見えない。
と言うかパッと見、多分200枚くらいある。

「20ページくらいの短編」は「200ページくらいの長編」になっていた。ちなみに全16章、副題つき。

彼女から「1か月間の物語」と言われたときは本気でビビった。

何はともあれ、忙しい合間を縫って書いてくれた小説は、頂いたその日に有り難く読ませてもらった。



大まかなあらすじは、
夢を抱きつつも前に進むことが出来ずにくすぶっている私が、ある事件に巻き込まれたり、いろんな人の影響を受けることで前に進もうとする…という物語。
ちなみに私が勝手に妄想していた旅には出ない。


場面場面での心情や情景が細かく書かれていて世界観を簡単に想像できた。
他の登場人物は彼女と私の共通の知り合いたちで、現実とは全然違う設定で出てくる。
こういう細かさや、現実的なようでちょっとファンタジーが入っていたりするのは彼女の性格だなと思う。


素直に凄いと感じた。


私を主人公にしてここまで話を広げていることも、物語としてちゃんと小説が成立していることもそうだけど、それ以上に何が凄いって、主人公である私を始めとする登場人物の性格がほとんど完コピに近い。
彼女の鋭すぎる観察力の信憑性がめちゃめちゃ高い。



小説の中の私と、現実の私。
物語は現実とは全然違うのに、感情がそのまんま私とリンクしている。


彼女には話したことがないモヤモヤと抱えている悩みも、内容は小説オリジナルだけど悩み方が同じだったりする。
普段の関わりの中でここまでそれを感じ取られていたと思うと、正直自分のズボラさが露呈していてとても恥ずかしい。
それなりに長い付き合いなのに、完全に彼女を侮っていた。



小説の中には彼女の私に対する想いや「こうなってほしい」という希望が至るところに散りばめられている。
そして最後には、現実の私はまだ見つけることができていない「自分の扉」を開けるところで締め括られている。
成長物語として渡されたこの小説は、正しく私の物語で、私にとっては紛れもなく彼女からの長すぎる応援メッセージだった



ということで、すごく貴重な経験をさせてもらいましたというお話。


本当は私の誕生日に間に合わせたかったらしい。
いろんな意味で重いと思われるかもしれないので一般受けする贈り物ではないとは思うけど、私としては感謝でしかない。



最後に、笑いどころも突っ込みどころも満載な今回の小説の一番のポイントを1つ。

物語の中で誕生石「ターコイズ」と私のリアルな誕生日がキーになるときがある。

私の誕生日は11月、誕生石は「トパーズ」。
「ターコイズ」は12月なんだよなぁ。




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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。