ファインマンの著作を読んで物理を理解していくブログ. -54ページ目

19章の問題(1)

19-1
\rho を棒の線密度とする.
\rho L=M
最初の状態の棒達の慣性モーメントは
8\int_0^L(L^2+l^2)^2\rho dl
=(32/3)L^3\rho
=(32/3)L^2M
最後の状態の棒達の慣性モーメントは
(8/3)L^2M
よって最初の状態の仕掛けと棒達の慣性モーメントI_0は
I_0=(32/3)L^2M+(40/3)ML^2
=24ML^2
最後の状態の仕掛けと棒達の慣性モーメントI_1は
I_1=(8/3)L^2M+(40/3)ML^2
=16ML^2
最後の状態の状態の角速度を$\omega _1$とおくと角運動量の保存より
I_0\omega _0=I_1 \omega _1
\omega _1=I_0\omega _0/I_1
最後の回転エネルギーから最初の回転エネルギーをひくと
E=I_1\omega _1 ^2/2-I_0\omega _0^2/2
これに上で求めたI_0,I_1,\omega _1を代入すると
E=6ML^2\omega _0


19-2
(a)
\int \tau d\theta=-k\theta _0^2/2

(b)
qを最初にキャパシターに蓄えられていた電気量として
dtの間に放電したとする.
与えられる角運動量は\tau dt=nABq.
最初の角速度を\omega _0検流計の慣性モーメントをIとおくと
nABq=I\omega _o
検流計の振れを\theta とおくと(a)より
k\theta ^2/2=I\omega ^2/2
両辺に2Iをかけて
Ik\theta ^2=(I\omega )^2
=(nABq)^2
よってqと\theta は比例する.


19-3
ML^2/12


19-4
\rho を金属の面密度とする.
重心c の座標は
c=\int r\rho dv
I_b=\int (r-b)^2\rhi dv
=\int (r-a+a-b)^2\rhi dv
=\int (r-a)^2\rho dv +2(a-b)\int (a-b) \rho dv+(a-b)^2\int \rho dv
=I_a+2 (a-b)(c-a)M+(a-b)^2M
=I_a+2r_3\cdot r_1+r_3^2M
よってI_b=I_a+r_3^2Mとなるためには
r_1とr_3が直交することが必要十分.(AがBCを直径とする円上にある)


19-5
2\pi R \pi R^2=2\pi ^2 R^3

(byパップスの定理)


19-6
Iを求める軸の周りの棒の慣性モーメントとする.
I\omega ^2/2
を小にするために
Iを小にしたい.
M1からrの距離に軸をつけるとすると,
I=r^2M_1+(L-r)^2M_2
これの最小値をあたえるrは
r=\frac{M_2L}{M_1+M_2}
となる(つまり重心).
(このときI=\frac{M_1M_2L^2}{M_1+M_2}
となる.)


19-7
円盤の慣性モーメントをI_0=R^2M/2とおく.
フックが外れたときのmの速さをvとおくと
角運動量保存とエネルギー保存より
2(R+l)mv=I_0\omega +2R^2m\omega
I_0\omega ^2/2+R^2m\omega ^2=mv^2
これを解くと
l=(\sqrt{1+\frac{M}{4m}-1}).


19-8
x'=x\cos \omega t+y\sin \omega t
y'=-x\sin \omega t+y\cos \omega t
これをtで二回微分すると,
m\ddot{x}'=F_x\cos \omega t+F_y\sin \omega t+2\omega mv_y'-m\omega^2x'
m\ddot{y}'=-F_x\sin \omega t+F_y\sin \omega t-2\omega mv_x'-m\omega^2y'


19-9
\rho を球の密度とする.\rho4\pi R^3/3=M.
球の慣性モーメントは球座標で計算すると,
I=\int (x^2+y^2)\rho dv
=\int r^2\sin ^2\theta r^2 \sin \theta d\theta d\phi dr\rho
=2R^2M/5

球の加速度をa角速度を\omega とすると,
Ma=\mu Mg
I\frac{d\omega }{dt}=\mu MgR
(非慣性系だが直線運動なので一様にかかる力のモーメントは無視していいから)
これを解いて
\omega =\frac{5\mu gt}{2R}
となる.
滑らずに転がるのは
\omega R=V_0-\mu gt
となるとき.
よって
t=\frac{2V_0}{7\mu g}
よって進んだ距離は
D=V_0t-\mu g t^2/2
=\fraqc{12V_0^2}{49\mu g}


19-10
\omega を角速度とする.
図のようにF,Nをおくと,
Kでの抗力は0だから,
力のつりあいは
F\cos \theta+N\sin \theta=Mg
F\sin \theta =N\cos \theta
I\dot{\omega }=Fr
I=Mr^2/2
を解くと角加速度は
\dot{\omega }=2\cos \theta g/r



図19-10


19-11
第一象限の扇形の重心の座標を(l,l)とおくと,
((l,l)+2(l,-l)+3(-l,l)+4(-l,-l))/(1+2+3+4)=(-2l/5,-l/5)
求める直線の方程式は
y=x/2



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18章の問題

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18-1
(a)
i,j,kを\mathbb{R}^3の基底とする.
N=rxF
=(8i+6j)mx(30i+40j)N
=140kmN
(b)
\| rx\frac{F}{\| F\| }\|
=140m/50
=2.8m
(c)
\| rx\frac{F}{\| r\| }\|
=140N/10
=10N

18-2
\omega=\frac{2\pi}{24*60*60s}
求める緯度を\thetaとする.
Rを地球の半径とする.求める点での速さは
v=\omega R \cos \theta .
\omega R \cos \theta =\omega R \cos 35^o-200m/s
これを解いて
\theta =\arccos (\frac{\omega R \cos 35^o-200m/s}{\omega R})
=67.1^o


18-3
求める力をF=(F_x,F_y)とすると.
F_x+50N-50N/\sqrt{2}=0
F_y+50N-50N/\sqrt{2}=0
よって
F_x=F_y=-14.6447N
\| F\|=20.7107 N
求める力の作用線へ0からおろした垂線の長さをrとすると,
0.1\sqrt{(50N)^2+(50N)^2}/\sqrt{2}=r20.7107
よって
r=0.2415
よって求める力の作用線とA,Bの交点は
0からr\sqrt{2}=0.341
だけ左の点.


18-4
図18-4のように上の長方形の重心をa,下の長方形の重心をbとする.
a,bの中点がこのL字型板金の重心.
図のacの長さは2.よってL字型板金の重心のcからの高さは1.
よってopは1.5となる.


18-5
F_1+F_2=Wg
2F_1=F_2
を解いて,
F_1=Wg/3
F_2=2Wg/3
となる.

つぎにDEの内部力を求める.
三角形EFGについてEの周りのトルクのつりあいの式は,
\sqrt{3}F_3/2=F_2=2Wg/3
よって
F_3=\frac{4Wg}{3\sqrt{3}}.


18-6
(a)
\rhoを棒の線密度とすると.
\rho L=m
より慣性モーメントは
I=\int_0^Lr^2\rho dr
=L^3\rho /3
=L^2m/3


(b)
長さL/2の棒が二本つながっているとみると
I=2\frac{(L/2)^2m/2}{3}
=L^2m/12

(c)
mr^2

(d)
断面積あたりの密度を\rhoとすると
m=\int dm
=\int_0^r 2\pi s \rho ds
=\pi \rho r^2
よって
\rho =\frac{m}{\pi r^2}.
I=\int s^2 dm
=\int_0^rs^2 \rho 2\pi s ds
=\int_0^rs^2 \frac{m}{\pi r^2} 2\pi s ds
=r^2m/2


18-7
ひもの張力をTとする.加速度をaとする.
連立方程式
mg-T=ma
L=I\omega =Mr^2\omega ^2
\frac{dL}{dt}=Tr
a=r\frac{d\omega }{dt}
を解いて
a=\frac{mg}{m+M/2}


18-8
(a)
速さがv_2になったとすると,
トルクが働いていないから角運動量は保存するので
r_1mv_1=r_2mv_2
よって
v_2=\frac{r_1}{r_2}v_1

(b)
仕事=エネルギーの変化は
mv_2^2/2-mv_1^2/2=m((r_1/r_2)^2-1)v_1^2/2

(c)
\delta r F=m(((r_1+\delta r)/r_1)^2-1)v_1^2/2
の\delta の係数を比較すると
F=mv_1^2/r_1


18-9
GMm/R^2=mv^2/R
L=Rmv
より
L=m\sqrt{RGM}

地球の自転は潮汐摩擦で遅くなる.
地球と月の角運動量は保存するので
月の角運動量は増える.
よってrは増える.

月の運動エネルギー=mv^2/2=GM/2R
はRが増えると減る.
この分のエネルギーは潮汐摩擦によって
地球に熱エネルギーとして与えられる.


18-10
一個一個のパーツについて上下方向のつりあいを考える.
AにF_1,BにF_2,A'にF_1',B'にF_2'の上下方向の力が働いているとする.
F_1=2F_2
F_1'=2F_2'
W_1g=F_1+F_1'
W_2g=F_2+F_2'
よってW_2=W_1/2.


18-11
図18-11のようにT_1,T_2,Fをおく.

F=M ft \omega ^2/\sqrt{2}
\omega =120*2\pi /(60s)
2T_2/\sqrt{2}=10lb
T_2/\sqrt{2}+Mg=T_1/\sqrt{2}
T_1/\sqrt{2}=F

を解いて,
M=2.022lb


図18-11



18-12
ブレーキシューの速さをvとおくと,
f=2\pi r v,
F=mv^2/r.
これらを
仕事率=2F\mu v
に代入して
仕事率=16\pi ^3r^2f^3m\mu


18-13
n枚つむと崩れるとすると,
図18-13のpに関するトルクのつりあいの式を考えると,
(L/2-L/a)m+(L/2-(L/a)2)m+...+(L/2-(L/a)(n-1))<0
これを変形して
a<n.


図18-13


3つのブログの使い方.

『量子力学を理解していくためのブログ.』 では量子力学について理解することを目標とする.

『物理を理解するためのBLOG.』 では主に量子力学以外の物理の本を読む.

『ファインマンの著作を読んで物理を理解していくブログ.』ではファインマンの著作を読む.


最終的には統一していくかも.

17章の問題

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17-1
m_p=938MeV
m_v c^2=10^10 GeV
938MeV/\sqrt{1-v^2/c^2}=10^10GeV
私の座標系では
t_0=10^5l.y./v
だけの時間がかかる.
粒子の座標系では
t_0'=\sqrt{1-v^2/c^2}t_0
=\sqrt{1-v^2/c^2}10^5l.y./v
≒938MeV/(10^10GeV) 10^5年
=4.93分


17-2
m_e c^2/eV=510995


17-3
m_eを電子の質量とする.
m_{\pi }=273m_e,
m_{\mu }=207m_e,
m_{\nu }=0,
となる.
以下の連立方程式を解けばよい.
E_{\mu }+E_{\nu }=E_{\pi }=m_{\pi }=c^2・・・・(1)
p_{\mu }=p_{\nu }・・・・・・・・・・・(2)
E_{\mu }^2-p_{\mu }^2c^2=m_{\mu }^2c^4・・・(3)
E_{\nu }^2-p_{\nu }^2c^2=0・・・・・・・(4)
(1),(2),(4)より
p_{\mu }^2c^2=p_{\nu }^2c^2
=E_{\nu }^2
=(m_{\pi }^2c^2-E_{\mu })^2
これを(3)に代入して
E_{\mu }^2-(m_{\pi }^2c^2-E_{\mu })^2=m_{\mu }^2c^4
よって
2E_{\pi }E_{\mu }-E_{\pi }^2=m_{\mu }^2c^4
よって
E_{\mu }=\frac{m_{\mu }^2c^4+E_{\pi }^2}{2E_{\pi }}
=109.853MeV
よって運動エネルギーは
E_{\mu }-m_{\mu }c^2=4.076MeV
E_{\nu }=E_{\pi }-E_{\mu }
=20.649MeV
p_{\nu }c=p_{\mu }c=E_{\nu }


17-4
F=q'vB'
B',R',p'には単位も含まれているとして,
B'=B G
R'=R m
p'c=E MeV
とかく.
F=qvB'
=mv^2/R
よって
p'=qB'R'
よって
p'c=qB'R'c
E MeV=ZBRc m q_e G
=ZBR 3*10^8 m^2/s 10^{-4}Vs/m^2 q_e
=ZBR3*10^{4}eV
よって
E=3*10^{-2}ZBR


17-5
(a)
問題17-4より
150=3*10^{-2}*10^4 R
R=0.5
よって0.5m

(b)
2\pi R/vで一回回るから,
周波数は
\frac{v}{2\pi R}
また
mvc=150MeV
より相対論的効果を考慮しないと
v=\frac{150MeV}{m_pc}
周波数=\frac{150MeV}{2\pi Rm_pc}

(c)
相対論的効果を考慮すると
周波数=\frac{150MeV}{2\pi Rmc}
=\frac{150MeV}{2\pi Rmc}\sqrt{1-v^2/c^2}
よって\sqrt{1-v^2/c^2}倍になる.
vを求める.
\fraqc{m_p}{\sqrt{1-v^2/c^2}}vc=150MeV
これをvに関して解けばよい.
v^2/c^2=\frac{(150MeV)^2}{(150MeV)^2+m_p^2c^4}
=0.249
よって
\sqrt{1-v^2/c^2}=0.9487

方針

やっぱり今後はなるべくTeXで統一して書いていく.