皆様に展示会のお知らせです。
4月9日(木)~15日(水)、銀座 Salon de La にて、
「ハンカチ、ボタンに咲く、アールデコ」展を開催致します。
展示会の詳細は↓画像をクリックして下さい。
アールデコは、アールヌーボー様式の後、1910~1930年にフランスから広まった装飾様式です。
アールヌーボーが、アルフォンスミュシャに代表される、優美な有機的曲線美の芸術なら、
アールデコは、直線と曲線を組み合わせた幾何学的装飾様式と言えます。
アールデコ期の時代背景として、第一次世界大戦と産業の近代化がかなり影響していると思います。
アールヌーボーの繊細な装飾は大量生産に向いておらず(時間がかかる)、アールデコのシンプルな
デザインの方が効率的な生産に向いていたのでしょう。 それと同時に、芸術文化が上流階級から
中流階級中心に移行したことは、言うまでもありません。 更に、欧州中心の芸術文化が、作品や人も
含めて、アメリカへ渡りはじめた時期でもあり、アールデコはよりグローバルな展開を見せました。
ボタンの世界ですと、アールヌーボーはイギリス・フランスを中心とした金属加工(ガラス、陶器含む)
が中心で、アールデコは、アメリカを中心とした樹脂加工(セルロイド、ベイクライト、ルーサイトなど)
黄金期の時代です。
下のボタンは、1920~30年代のベイクライト製です。
ご覧のように、アールデコは表面的な装飾に留まらず、造形そのものに影響していました。
アップルジュースカラーのボタンの中に、ラメが封じ込められています。
この時期、ラメやスパンコール、ラインストーンなどキラキラした素材が多用されました。
こちらのベイクライトのボタンも同様のパターンです。
アールデコの代表のような特徴的なボタンを2つ、ご紹介しましたが、アールデコは実は奥が深く
アールヌーボーの曲線を取り入れたものや、東洋の影響を受けたもの様々あり、
よいモノは何でも取り入れる寛容さから、幅広いジャンルに渡ってグローバルに展開しました。
※余談
ちなみに、Lilyはデコ期の建築(フランクロイドライト)や、ステンドグラス(小川三知)が好きです。
そして、今回、展示会を開催させて頂くギャラリー「Salon de La」が入っている銀座奥野ビルは
1932年に建築された、まさにアールデコ作品そのものです。
当時高級アパートとして建設されたコンクリートビルは、一旦中に入ると、手動式のエレベータ
や床のタイル、美しい螺旋階段などが都会の喧騒を忘れさせてくれます。
今回、偶然にも展示会のテーマとビルが重なり、皆様には一層ノスタルジックな気分を味わいながら
展示会を堪能して頂けることと存じます。
桜が終わりましたら、是非、銀座へアールデコの花たちを見にお越し下さいませ。


