子どもと3人で行く旅が大好きだった。

コロナの流行る前

夫が夜勤だか何だかで不在の時に

子どもと3人で年に1度は旅行していた。


ヘソクリでなるべく安く行くために

けっこう無茶をしていたのが

今となってはすごく良い思い出になっている。




山のふもとに村営のキャンプ場があって

管理棟に大人1000円とかで泊まったことがある。

未就学児は無料。

とにかく安かった。


リュックに小型のコンロ、鍋、棒ラーメンを詰めて

電車やバスを乗り継いで行った。


「相部屋だからね」

と予約の時は冷たい感じだった管理人さんも

会ってみると優しい人で


「誰もいないから貸切だよ」と笑っていた。

エアコンなんか必要ないくらい涼しい夜で

星がとっても綺麗だった。




3人でテント泊をしたこともある。

わたしは免許がないので

小型テントをリュックに入れて

電車と徒歩でキャンプ場に行った。


わたし達が徒歩で来たことに気がつくと

キャンプ場のオジサンがユンボみたいな乗り物で

荷物と子どもをサイトまで運んでくれた笑


後でそのユンボ的な乗り物は

川で死んでいた鹿を運んでいてかなり驚いた。

さらにその鹿はすぐに捌かれて売られていた…!


とにかく面白いキャンプ場で

夜になると赤提灯が出てオジサンが川魚を焼く。

暗闇で炭がパチパチいうと

みんなつい引き寄せられてしまう。


わたし達も虫のようにフラフラ近寄ったら

でっかい包丁で特用チョコの袋を切って

無言で子どもにチョコを振る舞ってくれた。

そんな触れ合いも旅の楽しみだった。




ああ、ほんとうに。

旅に行けるようになる日が

また来るといいなあと切に思う。