今回は歌やお芝居ではなく演出方法として氷艶強いなと思った件です。

 

氷艶の強み

最近娘がはまっている漫画(アニメもあり)の舞台版(ミュージカルではない)を配信(テレビ画面で視聴)で見せてもらいました。いわゆる2.5次元てやつですね。原作ファン向けなので一番大切なのはキャラクターの再現度だということは理解した上で、演出はかなり想像力に頼っているなと感じました。例えば、襲ってきた敵から人々が逃げまどうシーンでは、数人のキャストが舞台の真ん中に並んでダンスで逃げる様子を表現していました。これが氷艶なら高速追いかけっこで表現できるシーンです。武器を持って戦うシーンもありましたが、それも氷上ならスピード感や迫力は倍増し、大きな見せ場になったはず。

 

こちらは氷艶2024十字星のキセキをご覧になった島田荘司さんのご感想。小説家、オペラ作曲家の方で、ご自分の作品であるオペラ黒船をこの氷艶でやりたいとまでおっしゃっています。

 

 

一部抜粋します

いつもオペラなど舞台劇を見ているから、当然動きは出演者の足のみによるからゆるやかで限られるが、スケーターたちの動きは広いリンク上を矢のように移動、目が覚めるようだった。出演者たち全員がこの速度で氷上を疾走し、入り乱れ、歌い踊るさまは、なるほどこういう形態の演劇もあり得るのかと目からうろこが落ちる思いだった。

 

氷艶の進化

劇場で上演される演劇と比較して氷艶が圧倒的に強いのはこのスピード感。破沙羅で始まった氷上の殺陣の迫力はどんな舞台にも映画にもないもの。そして、破沙羅、月光かりと進化し続け、LUXEで最高潮に達したプロジェクションマッピングとスケートの融合、これも素晴らしかった。

 

こちらはチームラボさんのLUXEまとめ動画ですが、どの演目も本当に美しいですね。これは一つの完成形と言っていいんじゃないでしょうか。ただ、このプロジェクションマッピングには一つ大きな弱点があります。それはリンクに近い客席からはほとんど見えない(背面のスクリーンを除く)ということ。

 

LUXEのフェニックスでは、身体にセンサーをつけた高橋大輔がプロジェクションマッピングの炎と追いかけっこをするように滑ります。氷上にはたった一人。これを観た人のほとんどが「これは高橋大輔(という特殊能力を持ったスケーター)にしか出来ないことだ。」という感想を持つのではないでしょうか。

 

これと少し似ているのが十字星のキセキさそり座。荒川静香と高橋大輔が猛スピードで追いかけっこのように滑るシーンです。ここでプロジェクションマッピングの代わりに炎を表現するのは7人のアンサンブルスケーター(アクロバット隊も一部参加)です。この7人は映像では顔が隠れて見えないので特定は難しいのですが、滑走屋メンバーがその中心にいることは間違いないと思われます。高橋大輔と荒川静香の二人だけでも十分見ごたえはあるのですが、アンサンブルスケーターの動きによってさらにスピード感と迫力が加わり、近くからも遠くからも楽しめました。これを舞台関係者の方が観れば島田荘司さんと同様「この演出方法を使ってみたい。」と思うんじゃないでしょうか。

 

ストーリーや世界観に関しては好みがあるので「破沙羅が一番」とか「月光かりの方がよかった」という人はたくさんいらっしゃると思いますが、スケートの特性を生かした演出という点では今回が一番だったんじゃないかと思います。そしてそれは主演の高橋大輔アイスダンスを経験し、滑走屋をプロデュースしたからこそ生まれた進化だったと個人的には思います。

 

 

 

 

 

 

 

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