氷艶2024 -十字星のキセキ- 現地3公演(日月火)とCS放送の録画を観た感想を書いていきたいと思います。書きたいことがたくさんあるすぎるので思いついたところからテーマ別に。

 

テーマはラストシーン

今回のテーマはラストシーン(笑)。なんでいきなりラストシーンやねんという突っ込みが入りそうですが、この物語の全容を理解するのにこのラストシーンがものすごく重要だと個人的に感じたので最初に書かせていただきます。

 

トキオは無傷

銀河の旅から地球に帰着したトキオは病院で目覚めます。

そこで明かされるのは電車に飛び込んだにも関わらず彼が「無傷である」ということ。

 

この物語のあらすじが氷艶2024の公式ホームページに載ったとき、ファン界隈はかなりざわつきました。この部分ですね。

 

お前が成功に目がくらんでいる間に、ユキが亡くなったのだ、と。動揺するトキオを突き放し、立ち去るカケル。だが、その直後、カケルまでもが事故で命を失ってしまう。

カケルを殺したのは自分だという罪の意識に苛まれるトキオ。自暴自棄になった彼は、フラリと列車のホームから飛び込んでしまう……。

 

 

これはいわゆる「夢おち」?

メインキャラ3人いきなり死ぬの?と。私も一瞬そう思いました。でもよく見るとトキオは死んだとは書かれていない。つまり、これは列車に飛び込んで生死の境をさまようトキオが見る夢の話?とその時点では思ったのです。銀河鉄道の旅という現実にはありえない設定を成立させるための「夢おち」なのかと。「夢おち」は物語のつじつま合わせには便利ですが、どうしても最後に「なーんだ。夢だったのか。」というがっかり感が残ってしまいます。

 

 

トキオの命を救ったのは?

私にとっての初鑑賞は公演2日目。初日のレポはある程度耳にしていましたが、パンフレットの詳しいあらすじなどもあえて読まずに観ました。

 

前半の現実世界と後半の非現実世界。前半はお芝居メイン、後半はパフォーマンスメインで舞台は進み、最後は大画面にトキオのアップ。病院で寝ている設定です。そしてナース(N)とドクター(D)(CV福士誠治さん)の会話。

 

N: 先生!患者さんが目を覚ましました

D: なに?意識が戻ったのか?

N: 驚きましたね。 

D:   ああ。

N:   電車に飛び込みながら傷一つなかったのにも驚いたけど。

D:   これは本当にキセキだ。

 

そしてトキオの

「カケル…そこにいるね。」という言葉で物語は終わります。

 

 

カケルはヒーロー

電車に飛び込んで命が助かることはまれにあっても無傷はありえません。これは超常現象。助けたのはこの世の者ではない…きっとカケルだと私は解釈しました。そして、トキオが体験した銀河鉄道の旅はただの夢ではなく、カケルが彼に見せた夢だったんだと。学者だったはずのカケルがここでは勇者の姿でトキオの前に現れます。一見ツッコミどころ満載なこの姿にも意味はある

 

自ら命を絶とうとした友の身体を不思議な力で救った。それだけでは不十分。カケルがトキオに見せた銀河鉄道の旅はトキオの心を救うための旅だったと思います。目覚めたトキオが強く生きていけるように。例えばトキオは自分がカケルを死なせたと思い込んでいるけどそうじゃないよ。ユキを傷つけたと思ってるけど彼女は生ききって美しい星になったよ。人を助けるために自分が命を落とした人がいる。生まれてくることが出来なかった子供の命もある。だから命を粗末にしちゃいけない。怒りに飲み込まれちゃいけない。(同性である)カケルに対する執着心(恋心?)も別にいいじゃないか。最後に車掌さんをラスボス化させたのは、トキオに地球(元いた世界)に帰る決心をさせるためかもしれません。最後は敵と戦ってトキオを地球に帰す。ヒーローだからあの姿なんだと思います。

 

 

一番見せたいのはスケートのパフォーマンス

この物語の後半(銀河鉄道乗車後)の一人称はトキオトキオが見る精神世界で大活躍するヒーローがカケル。このショーを「お芝居」ととらえるのなら主役はトキオに見えるかもしれない。でも、アイスショーですから一番見せたいのはスケートのライブパフォーマンスです。そうでなければ氷上でやる意味はない。銀河鉄道はトキオの精神世界ですから、本人はあまり動きません。元々動かなくても不自然に見えないための設定だと思います。その分、歌とお芝居の分量は多め。一方のカケルは、歌、お芝居もかなりある上に、アイスダンス、ソロ、グループでの高速パフォーマンス、殺陣など山ほど見せ場がありました。運動量はトキオの何倍もある。殺陣→セリフ→歌→ソロスケートと続くところは特にきつそうです。

 

今回トキオとカケル以外はメインキャストであっても2役以上。時にはアンサンブル的な役割も果たしています。つまり、トキオとカケルがメイン、二人の物語であることは間違いありません。ほぼダブル主演と言っていいぐらい。ただどっちが美味しい役かと言われたら圧倒的にカケルです。俳優さん側はものすごいハンディだと思う。本来ならかっこよく動ける(もちろん殺陣もばっちり)人が慣れないスケートで身体パフォーマンスをほぼ封じられるわけですから。大野拓朗さんの場合は立っているだけでも華がありますが、陸で動けばもっとずっとかっこいいはずなんです。こんな不利な状況でも最大限に努力して楽しんで演じてくださっている俳優陣のみなさんには本当に感謝しかありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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