世界選手権が終わりました。

坂本花織選手金メダルで三連覇達成、おめでとうございます。

りくりゅう、怪我からの復活で銀メダルおめでとうございます。

鍵山選手も怪我からの完全復活で銀メダルおめでとうございます。

イリヤ・マリニン選手は異次元、すごいとしかいいようがありません。

 

今回ジャッジに関して納得のいかないことがいくつかありました。

 

 

女子シングル吉田陽菜選手3Aのq

着氷は完璧です。それ以外も特に問題なく見えます。NHK杯の宇野昌磨選手もそうでしたが、基礎点100%もらえても本来つくはずの加点が0からマイナスになり、実質減点と同じ。選手に与える心理的ダメージも大きいと思います。

 

ペア優勝のデュデクデシャン組の得点

ペアのルールに詳しくないし検証もしていないのであくまで「印象」ですが、カナダ開催で地元選手を勝たせたい意図が感じられました。ディアナさんは尊敬しているし応援もしていますが、それとは別の話。

 

男子シングルアダム・シャオイムファ選手の評価

アダム選手はこれまでも何度か試合でバックフリップを跳んで減点を受けていますが、なんのためにそんなことをするのか理解できません。それより理解できないのは彼の違反行為をISUが肯定しているように思えることです。ISUアワードのmost entertaining programにこのプログラムを選んだのには心底驚きました。ルールを決める側がルールを軽視してどうするんでしょうか。

 

こちらの表は、宇野昌磨選手とアダム選手のPCSの比較です。

 

 

ISUホームページのハンドブックによると、PCSの上限はシリアスエラー1個の場合は9.5、2個以上の場合は8.75。アダム選手のショート、宇野選手のフリーともシリアスエラー(転倒などプログラムの流れがとぎれるミス)は1個です(宇野選手の減点2のうち1つはTime violation)ので上限が適用されるとすれば9.5今回はシリアスエラーの影響はほとんどないと思われます。

 

宇野選手、アダム選手ともに出来のよかった方には高いPCS、悪かった方には低いPCSがついています。比較しやすいようにショートの点数をフリーに換算(X2)すると次のようになります。二人とも結構な差がありますね。

 

 

宇野選手はいい方も悪い方もほぼ横並びです。ジャンプが悪かったら彼の素晴らしいスケーティングスキルの評価までガクッと下がっちゃうの?という疑問が浮かびます。一方のアダム選手はパフォーマンスの項目で一番大きな差(1.18点)がついています。こちらの方が理にかなっていますね。「彼が禁止技をつかっていなければ」という条件はつきますが。

 

男子シングルのフリーに進んだ選手の中で、アダム選手のPCSはジェイソン・ブラウン、鍵山優真につぐ3位。パフォーマンスの項目ではジェイソンにつぐ2位(鍵山と同点)です。ISUが禁止している技を使っているにも関わらず、ものすごく高い評価なのです。ISUアワードに選ぶぐらいですからよほど気に入っているのでしょう。

 

こちらの記事にバックフリップについて振付師のブノア・リショー氏のコメントがあります。
 

「私はとてもいいと思う。プログラムに新しい要素を取り入れる必要がある。スケーターにもう少し自由を与えた方がいい。新しいことを生み出す場を与えるためにも。もっとクレイジーなスピンが見たいんだ。新たな創造力を見たいんだよ。観客はそれ以上にクレイジーだ。だからインパクトがあるのだ」

 

振付師も肯定的。コーチも何も言わない。ISUはアワードに選ぶ。解禁の動きもあるという噂もあります。

 

ただ、個人的な意見を言わせてもらうと、バックフリップはプログラムの流れをとぎれさせる技だと思います。アダム選手は跳びなれているのか短い助走で跳んでいて影響は最小限だったと思いますが、着氷に流れはないですし音楽に合っているとも言えません。解禁するとすればトランジションで使うことになるでしょうけど、スパイラルやイーグル、イナバウワーなどのようにプログラムに溶け込ませることは難しいと思います。エキシビションのフィナーレで単発でやれば盛り上がる。それは事実ですが、認められるまで減点を受けてもやり続ける価値が果たしてあるのでしょうか

 

女子のショートプログラムのアクセルジャンプが2Aに限定されていた時代、3Aを跳ぶ浅田真央選手はコンビネーションの方に3Aを入れていました。失敗のリスクが高く点数的にも損(セカンドが2Tなのでトリプルトリプルと点数が変わらない)でしたが、女子の3Aが認められる流れを作りました。これはルールにのっとった意味のある挑戦。当時は回転不足=ダウングレードで90度までOKというルールもなく、成功にしか見えないトリプルアクセルをダブルアクセルの点数(しかもGOEマイナス)にされることも何度もありましたが、それでも挑戦を続けた彼女は立派だったと思います。

 

一方、アダム選手はプログラムに溶け込まない禁止技を故意に入れているのにプログラム自体は高評価。個人的にはちょっと納得いきません。例え認められる流れだとしても、現時点では禁止技です。現地の観客は一瞬盛り上がるかもしれませんがそれだけです。禁止技など入れなくても魅せられる選手なのに逆にもったいないと思います。もう一つ、今回3位のアダム選手と4位の宇野選手の最終的な点差は3.54点でした。アダム選手の滑走順は24人中6番目。残り18人がどんな演技をするかその時点ではわかりません。バックフリップの「減点2」のせいで表彰台を逃していた可能性もゼロではなかったと思います。もしそうなっていたら、本人もコーチも大きな批判にさらされていたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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