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3月も末だというのにパラパラと雪が降ったりして寒い日が続いていたせいか、大雪に見舞われる夢を見てしまった。
私が子供の頃に住んでいた家は近所に亀の湯と言う銭湯があった。
「お風呂屋さんの煙突が見えたら、もうすぐお家だから頑張るんだよ。」
私は小さい子供の手を引いて歩きにくい雪の道を歩いている。
この道はこんなに狭くなかったはずだがと思うのだが、両側にうずたかく雪が積まれていて、道幅が狭くなっており、すれ違うのが難しい。
しかも吹雪いてよく前が見えないほどの雪なのに、ぶつかりそうになりながら、ひっきりなしに人が通っている。
「いや、こんなに歩いても着かないのはおかしい。風呂屋の煙突を見逃したのだろうか。」
私は不安になってあたりを見回すが、風呂屋の煙突も見えなければ人家もなくなっていて、いつの間にか人の通りも途絶えてしまっている。しかも次第にあたりは暗くなってきている。
「引き返そう。一本道を来たはずだから、このまま引き返せば風呂屋に到着して家に戻れるはずだ。」
私は子供の手を握っていたはずなのだが、振り向くと子供はいなくて、大人が一人立っているのだが、なぜなのか、はじめからこの人物が連れだったと思う。
私の夢はそういうことがよくある。
途中で連れの人間が変わってしまうのだが、その時点でいや最初からこの人が連れだったと思うのである。
私とその誰だかわからない連れの人物は、今来た道を引き返していくのだが、岩山の中に通じている細い道を歩いていて、これ絶対家に帰る道じゃないと思うのに歩くのをやめられないのだ。
雪はどんどん積もってきて、あたりはどこを見ても同じような岩肌であり、どこを歩いているのか見当がつかない。どうすればいいんだと思った途端に岩の裂け目の中からいきなり手が出てきて、私と連れを洞窟の中に引き込んだのだった。
洞窟は暗いのだが岩壁自体がぼうっと発光していて、中でうごめいている人影が見える。
しかし彼らは緑がかった灰色の粘土でできている泥人形であって人間ではないのだった。