先週末、やっと衣替え終わりましたわ。延一ヶ月かかったわけですけど。

私にとって衣替えとは一種神聖な作業で、陽の光があって、晴れてカラッとした空気の時にしかしたくないんです。雨の日とか夜に行うのは邪道な気がして。なおかつ自分の空いた時間でやるとなると作業日が限られてしまうわけです。で、週末はものすごく理想的な天気だったので、これを逃したら梅雨に入ってしまうと思い、ダンス休んで衣替えのラストスパートかけたわけです。とりあえず、セーフ。

あと、森山未來の公演、チケットとれたので愛媛まで行くことにしました。彼の情報は他にも続々上がってきているので、それはまたまとめて次回アップする予定です。小春の動画も上がっとるしいろいろ立て込んどるわ。勝手にお前がな。ハイ?


 

で、今日は前回のバスキアの続きなんですけど。しつこいのだけが取り柄なんで。
前回、映画『バスキア』のサントラから何曲か紹介したのですが、そのときに、映画公開当時、バスキアのサントラ買おうと思ったけど聞きたいのはトム・ウェイツなので彼のアルバム買ったと書きました。今回はそのトム・ウェイツをさくっと。。いやだらだらとご紹介したいのです。

 

トム・ウェイツ(Tom Waits) ってご存知ですか?
1949年12月生まれなので、現在65歳。私は長年のファンとかマニアとかいうのではないので、彼の経歴とか詳しくありません。で、とりあえずWiki とかその他いろいろ(下記レファレンスリンクを参照)からお借りして略歴をご紹介。

カリフォルニア出身のシンガーソングライター。1973年(23歳)アサイラム・レコードからのファースト・アルバム『Closing Time』でデビューしてから現在に到るまで多くのアルバムを発表。
「酔いどれ詩人」という異名で知られ、特徴的な嗄れた歌声、ジャズ的なピアノ演奏、しがない人々の心情をユーモラスに描きながらも温かい視線で見つめる独特な歌詞世界、ステージ上での軽妙な語り口でカルト的人気を博した。キャリア初期からポエトリー・リーディングも取り入れ、本人曰く、「得意楽器はボキャブラリー」。1980年代からは実験的な音作りも取り入れ、1990年代以降は、グラミー賞の受賞や、ビルボード誌のアルバム・チャートでトップ40入りを果たす等、その個性がより幅広い層に認知されていく。キース・リチャーズ等の著名ミュージシャンからも高く評価され、楽曲をカバーするミュージシャンも多数。2011年(61歳)、ロックの殿堂入りを果たした。
1978年以降は俳優としても活動し、とりわけフランシス・フォード・コッポラやジム・ジャームッシュといった映画監督と関係が深い。


と、こんな感じです。私自身は賞のこととか把握してませんでした。昔、単純に彼の曲を気に入って、2枚ほどアルバムを買った程度。あと、ジム・ジャームッシュの映画『ダウン・バイ・ロー』での俳優としての印象も強い。

今回、映画『バスキア』のサントラを音楽動画で辿っていくうちに(何せ持ってないので)、その中に入っているトムの「トム・トラバーツ・ブルース」Tom Traubert's Blues (Four Sheets to the Wind In Copenhagen) を久々に聞いて、あーやっぱりいいなと。で、大ちゃんの写真に合うわけではないのでそこでは紹介せず、今回ピックアップしたわけです。
この曲は1976年発表の3枚目のアルバム『スモール・チェンジ(Small Change)』に収録されていて、アルバムとして初めて全米アルバム・チャートのトップ100にランク・イン(最高位89位)し、彼の名前が世に出るきっかけとなったもの。

 

おそらく長年のファンとかマニアからしたら、あまりに代表的曲すぎて、逆に紹介しないかもしれないほどですが、この曲、全くトム・ウェイツとか洋楽とか興味ない人でもTVドラマよく見る人だったら知っている、という曲です。2009年にフジテレビ系列で開局50周年記念ドラマとして唐沢寿明主演で放送された『不毛地帯』のエンディング曲といえばおわかりでしょうか。

ここでその曲の動画をご紹介するのですが、アルバム録音からの音質のいい方ではなくて、実はこの動画をご紹介したいがために今回このテーマにしたと言っても過言ではない、ライブ版なんです。
Tom Waits Waltzing Matilda live 1977。つまり、トムが27だか28の時の映像。いいですか、このとき27か28ですよ。




しつこいですが、27か28の青年です。なんやのこの貫禄。ダミ声の説得力。泣かすわ。ちょうどこの頃、リッキー・リー・ジョーンズと付き合ってたんですよね。二人が昔付き合ってたというのを知ったときはすでにトムが40歳ぐらいで、この映像のときよりもなんていうかもっと顔がゴツくさらに老けた感じだったんで、え、まじか、と思ったのを覚えています。でも実際に若い頃の彼を見ると、やっぱ女にはモテるやろというのはわかります。とくにイイ女に。

ところで、この映像のタイトルがWaltzing Matilda liveになってて、彼が歌う詞の中でも To go waltzing Matilda, waltzing Matilda, You’ll go a waltzing Matilda with me とあったのお気づきでしょうか。ある方の訳では「放浪の旅に出よう、そう旅をするんだ、お前は俺と一緒に旅に出るんだ」とされています。え、マチルダという言葉はどこに行ったの?実はWaltzing Matildaというオーストラリアの古い歌があって、“Matilda”は荷物・頭陀袋(ずだぶくろ)のことで、「マチルダを踊る(Walzting)」というのは「(荷物を持って)放浪の旅をする」といった意味となるそうです。

実はこの事ずっと知らなくて、たまたま見つけたこちらのサイトで知りました。この歌を後にカバーしたロッド・スチュアートの音楽動画もあったり、そのWaltzing Matilda の曲もあったり、けっこう発見の内容です。記事もシンプルで端的な構成で、そういう意味でもすごい感心しました。(お前も見習えや。無理や。)

✩TAP the POP 身も心も疲れ果てて  トム・ウェイツ27歳
http://www.tapthepop.net/story/15957


 

そして40年近くたった今、最近の彼の動く画像が上がってきました。
彼のHPでのデータ見る限り、この2,3年、ぐっと露出が減っていたようです。アルバムも4年ほど出していないようで。
それが、5月14日に全米放送された「Late Show with David Letterman」というアメリカの人気深夜番組にゲスト出演。ホストのデイヴィッド・レターマンが引退することになり、彼が20年以上続けてきたこの番組が5月20日に終わるという記念すべきタイミングで。
なぜかジョージ・クルーニーがお邪魔虫よろしく二人の後ろにいるのは、その前にゲストとして登場していたジョージがデイブが引退するのを阻止すべく、自分とデイブの手に手錠をかけてるようなのです。で、そのままの状態でトム・ウェイツが登場したのがこちら。

★Tom Waits Interview with David Letterman and George Clooney
https://youtu.be/D_whNf2oggY

あのゴツくて男っぽかった青年は、今はこんな好々爺になってました。
で、登場してすぐ、手錠の鍵のジョークから始めて笑いを誘い、さらに、今日NYで驚いたこととして、長い行列があっててっきりガール・ファイトでもやってるのかと思ったら、サラダ専門店の行列だと知ってびっくらこいたと。 "I was, frankly, embarrassed for them." と言う絶妙の間で笑いを誘うあたり、このおっちゃん只者じゃない。ジョージも含めた3人のやりとりがまるでコントで、台本があるのかと思ってしまうほど。そのシュールなシチュエーションが受けてるとわかると、「こんな状況普通ないけど、前に1回だけ同じようなことあったな。刑務所でね。」まじか。いや、ジョークや。そして動画の終わりのほうでは"Free The Glutens"グルテンを解放しろ!てなんのこっちゃ。

で、このトムおじさん、コントやっただけじゃなくて、ちゃんと真面目に曲も歌ってます。
しかも、2011年を最後にアルバムもシングルも長らく発表がなかったのですが、デイブのために書き下ろした新曲「Take One Last Look」を披露してくれました。



そしてこちらでは早速歌詞があがっています。
http://www.azlyrics.com/lyrics/tomwaits/takeonelastlook.html


. . . .まさに昔と今 Then And Now ということろでしょうか。
今後はツアーもやるという噂ですが、実際はどうなんでしょうか。日本に来てくれるといいのですけど。とりあえず彼のツイッターフォローし始めました。


 

最後におまけです。

昨年、パンジャマン・ミルピエのダンス公演の記事を書いたあと、そこで見たフォーサイス振付のダンスに使われていたギャビン・ブライヤーズの曲名にちなんで「イエスの血は決して私を見捨てたことはない 」という記事を上げました。その曲にはトム・ウェイツが後半歌をかぶせるバージョンがあって、記事の中でその音楽動画も紹介しました。
その曲というのは、記事でも書きましたが、もともとロンドンの浮浪者生活をしていた老人がストリートで口ずさんでいたものを音声にとり、それをテープ・ループという手法で繰り返したものに楽器の演奏をつけて曲として完成させたもの。その老人は完成を待たずになくなったわけですが、後にギャビン・ブライヤーズは曲の後半からトム・ウェイツのボーカルを重ねて別バージョンとして再リリースさせたわけです。
で思ったのが、この人選てなんて絶妙なのだろうと。トムが紡ぎ出す詩の世界は、この曲の成り立ちにピッタリで、とりわけもともとは浮浪者老人のオリジナルの鼻歌だったわけで、まさにトムが描いてきた詩の登場人物の一人にいそうな感じ。

たまたまそのトムがボーカル参加しているこの曲の、別の音楽動画を見つけたので、最後にリンク貼っておきなす。泣けます。

★Gavin Bryars Feat. Tom Waits - Jesus Blood Never Failed Me Yet (Long version)
https://youtu.be/gT0wonCq_MY




<Reference Link>

✩トム・ウェイツ by ウィキペディア
✩トム・トラバーツ・ブルース by ウィキペディア
✩Downtown Train Tom Waits Unofficial Fan Site
http://sound.jp/downtown-train/
✩Artists-Tom Waits
http://homepage3.nifty.com/hirapro/artists/tomwaits.htm
✩トム・ウェイツオフィシャルHP
http://www.tomwaits.com/

こちらおまけで、トム情報関連のリンク。なかなかマニアックです。彼の曲が使われた映画・ドラマリストとか(たぶん米国限定)、トムの歌にゆかりのある場所を世界地図で示していたり。

✩IMDb>Tom Waits
http://www.imdb.com/name/nm0001823/
✩The Tom Waits Map
http://tomwaitsmap.com/