今回、水害で大きな被害を受けた岩手県岩泉町へ行ってきました。
その様子はまた後ほど紹介したいと思いますが、今回はその往路で発生したトラブルについて書きたいと思います。
今回の参加者はスタッフ、ドライバーを含め総勢26名。
9mサイズの29人乗りの中型バスを使って、往路夜行便で岩泉を目指しました。
ドライバーは私を含め3名。概ね2時間毎に交代してハンドルを握ります。
私は途中、佐野SAから安達太良SAまで運転。その後仮眠して盛岡市内から再びハンドルを握りました。
早朝の盛岡市内を快調に進み、郊外からはいよいよ山越えへ。
坂道もいよいよ険しくなっていきます。
ギアをシフトダウンし、カーブ&急坂の続く道を走っていると、突如警報ブザーが鳴動!
「なんだ?」
インパネを見ると
「オーバーヒート」
の文字が赤く点灯しています。
「とにかく安全な場所に停車」とは思うのですが、路肩もほとんどない急坂&カーブの続く道で途中で止めるのも危険が伴います。
幸い、バスが走らなくなるといった現象は見られませんでしたので、そのまま急坂道走行を続行!その間車内には警報音が鳴り続けていました。
(サイドブレーキを掛けると警報音は止まります)
約1kmくらい走ったでしょうか、路肩にちょっとした抜け道?みたいなのがあったのでそこに頭を突っ込んで止まりました。
まずはバスの状況確認。
エンジン部に回ると、見事なまでに冷却水が沸騰、ボコボコ音を鳴らしていました。しかし、漏れやファン・ベルト類には異常は見当たりません。
エンジンを止め、フードを開放し、とにかくエンジンを冷まします。
その間、スタッフは今後の行程について検討。
・代替のバスを出す
・地元のバス会社に救援を要請する
・路線バスに乗って現地へ向かう
・レンタカーの手配
などなど・・・
いろいろ対処を試みましたが、時間が朝8時前後と早く、まだ電話に出ないなどあり、これといった方策は決められませんでした。
一方でバスのほうはディーラーのサービスカー呼び、対応してもらうことに。
しかし、それも来てもらえるのは10時頃。その後修理して走れるという保証はありません。
最悪現場放置、あるいはレッカー移動・・・
そんな中、参加者の皆さんも自発的に動いていただきました。
通りがかりの方にお話をして、乗せていただけることになりました。
(要はヒッチハイクですね)
トラックと軽自動車で移動中のグループに乗せていただきました。
同じ岩泉にボランティアへ行く途中だったそうです。
こちらは女性グループのミニバン。やはりボランティアへ行く途中だったそうです。
このほか、岩泉町で活動しているボランティア団体がわざわざ救済に来ていただいたり、
そのような形で、午前10時過ぎにはドライバー以外全員何らかの形で現場を離れることができました。
ヒッチハイクの様子
ボードには、両面に「岩泉」「HELP」の文字が。
これを見て止まってくれた方も多かったです。
その後、当該区間を走る路線バス(JRバス東北・盛岡岩泉線)までもがバス停でもないのにわざわざ停車していただきました。
聞いたところ、故障したバスがあるので救済してほしいと連絡が入った、とのこと。
ありがたいことです。
しかし、その時点で全ての参加者がこの場を離れていましたので、感謝の意のみお伝えしました。
こちらが止まってくれたバス(写真は同じ区間を走るバス)
10時前にディーラーのサービスカーが到着。
プロのチェックの結果、おおよそ推定される原因を究明、その状況となる原因に対処し、念のためサーモスタットを外し(常時冷却水が回ることでオーバーヒートを防止するためです)作業完了。
サービスカーもわざわざこのような山奥まで・・・ありがとうございました。
バスも遅れること4時間、岩泉に向け出発することができました。
今回、ボランティアで岩泉に向かったわけですが、その往路、逆にボランティアに助けられる格好となってしましました。
何もない山間部で、これだけ多くの方の善意に助けられたこと、本当にうれしく思いました。
感謝してもしきれません。
この場を借りて、お世話になった皆様方に感謝いたします。本当にありがとうございました。
今回、参加者の皆さんを救ったそのほとんどは、たまたま現地を通りかった方々でした。
困っている時はお互いさま、そんな感じで快く対応していただきました。
ネットや携帯電話も便利ですが、最後の最後は人と人との直接のふれあい、そこに大きな善意が生まれるのかな?なんて感じた次第です。
改めて、今回のトラブルに際しお世話になった皆様方、本当にありがとうございました。