やっと大会が終わりましたね
ほぼ全試合観たので、ブログリハビリとしてはキツ過ぎる分量でしたが、個人的に振り返ってみますね
~ガードの死~
数年前は「パスガードの死」だったはずですが、季節の移ろいは早い。
自分も46になるわけですよ。
もちろんADCCは今までも引き込みにペナルティが付く等ルールの特性上、トップ&レスリングが優位だった訳ですが、それはあくまでおおまかなスタイルの話であって、今大会とは事態の規模が違いました。
ノーギガード世界最高峰のクレイグ・ジョーンズとラクラン・ジャイルズがガードでボッコボコにやられ、同じくゴードンもパスできない最高名手のフェリペ・ペナがパスられて何も出来なくなり、早い段階で消えるという非常事態。
せっかくペナルティ無しで下になれても、もうガードしてる時間が長過ぎるとヤラれるという、最近ちょっと見ないレベルでトップ攻撃が強力になっていました。
たとえば最軽量級で優勝したジオゴ・ヘイスも見事なガードの持ち主で、下からもバンバン極めている訳ですが、その名手ですら今大会の決勝は「リスクを覚悟で」みたいな姿勢でガブリエル・ソウザ相手に後半ガードを取っていたのが印象的でした(実際ソウザのカウンターがヤバかった)。
-66なんて以前ならガード上手い人が下でやり過ごすなんて当たり前の事で、あわよくば極めちゃえくらいの勢いでしたが、今大会はガードの時間がリスクそのものとなっていました。
同級のガード最高名手ジエゴ・パトが、準決をガードでジリ貧に追い込まれていたのを見ていたかもしれません。
ある選手が大会前ホベルト・サイボーグを「レスリング力足らなくてレッスルアップできないから多分ダメ」と評した言葉に全てが詰まっているのでは。
ガード技術はこれからももちろん必要必須ですが、それはこれまでの攻防パターンに比べてかなり短い攻守サイクルの連環のイチ局面であって、ずっとそれで凌げる訳ではない、
そして「レッスルアップ」という出口を持てないと厳しい、という事でしょう。
レッスルアップで立ってレスリングで押しまくる、あるいはパスガードの選択肢が無いガードプレイヤーは、たとえ足関節が上手くても脅威が薄れてきた。
新世代ヒールの強力さでごまかされていたが、トップ取る圧無しにずっと下で足関節を狙っててもかかりづらいという、いわばディーン・リスター以前と同じような風潮に戻されつつある、そんなトレンドがものすごく高速で進展したのが今大会だった、と自分は考えます。
次回はみなさんお待ちかね、そのトレンドを支えたステきな大会ぶりに焦点を当てますね。