第239話「One for All , All for J1 場合によってはノーサイド」
21年目のJ2リーグも激闘と激動うちにレギュラーシーズンの最終節を迎えた。嘗てbjリーグを制した琉球沖縄の皆様にとって初のJ2はどのようなシーズンでしたでしょうか。一方のヴァンフォーレ甲府はプレーオフ圏死守を懸けて最終節を迎えた。来週以降『延長戦』を戦う権利は有りや無しや、午後4時過ぎには判明していることだろう。逆立ちすれば答えがわかる。
勝たねばならん状況での最終節は4度目ということになるだろうか。過去の3回では同時進行の仙台が引き分けて逆転サヨナラ滑り込み3位入賞だったり、同時進行の湘南が2点差から逆転勝ちしちゃって昇格を逃したり、同時進行の清水が勝ったことで降格が決まりサヨナラ勝ちがチーム史上最も悲しい勝利になったり…と、なかなか濃い経験をさせてもらっている。応援生活を続けていると差し引きで辛いことの方が多いような気もするが、何一ついいこと無かった地元に週末の楽しみが一つあって何年も楽しめていることは他のものには換え難い幸福である。天国じゃなくても、楽園じゃなくても。
勝たねばならん最終節4度目にして今までの3回と違うのは他会場の結果付きではなく今回は自力下剋上の可能な状況下だという点だ。今日(京都サンガが柏レイソルに二桁得点で勝利したりしない限り)を含んだ4試合を全て勝利すればJリーグ史上初『2回目の』入れ替え戦昇格を果たしたチームということになる。ホークスだって南アフリカ代表スプリングボクスだって下剋上で優勝を決めた2019年の最後に狙わないという選択肢は無いだろう。走り出せ中央線。
もちろん確率は相当低い。夢破れたその時はひゃくまんつぶの涙を流して年賀状作りへと切り替えるまでだ。琉球サポーターの皆様の目には甲府がいささか殺気立ったチームに映るかも知れませんがホントにその点は申し訳ありません。昇格が未遂に終わった場合は来期以降もぜひ沖縄より暑い甲府盆地の夏を味わいにお越しください。
その際には改めて、君に会いに行くよ。君に会いに行くよ。
【2019年11月24日 バス小瀬新聞 FC琉球戦号より】


