リンク格差社会 | ビジネス・ブック・アーカイブ

リンク格差社会

江下雅之 さんの、インターネットに関するネットワーク論の一冊。
先日の『噂の拡がり方』 でも書いたように、『新ネットワーク思考』『複雑な世界、単純な法則』『スモールワールド・ネットワーク』 がお好きな方で、特にインターネットについて興味がある方に向いていると思われ。
洋書はまだしも、和書でネットワーク理論に関する本は、「コレ!」というものには未だお目にかかっておらず、本書も新書という形式でなければ、もっと掘り下げられたのかも、と思ってみたり(笑)。

●ネットワーク理論に関しては、「新たな発見」というものは当分お目にかからないのではないか?
もしそうならば、今現在までの結論で、いかに「時代」なり「現象」を切っていくかにかかっているかと。
本書においては、特にmixiの分析が注目に値する。
以前読んだ『ウェブログの心理学』 にも似たテイストがある。

●ちなみに本書の内容にも関係するのだが、mixiにおける「マイミクシィ」と通常のサイト同士の「リンク」を同次元で扱うのはどうなのだろうか?
マイミクはサイトのリンクで言うところの「相互リンク」であり、通常、私たちがポータルサイト等に張る一方的なリンクとは違うのではないだろうか?
ただ、むしろ一般的なネットワーク理論の例で出てくる、空港や友人間のオフラインの結びつきも、「相互リンク」であり、一方向のサイトのリンクの方が特殊なのだろうか?
・・・などと考えながら読んだ自分は、ちょっと消化不良気味(汗)。

リンク格差社会 ~ウェブ新時代の勝ち組と負け組の条件~ (マイコミ新書)
毎日コミュニケーションズ
江下 雅之(著)
発売日:2007-08-10

目次:
第1章 リンクの視点
第2章 ネットワークのダイナミズム
第3章 ネットワークのメカニズム
第4章 混迷するリンク、錯綜するネットワーク
第5章 ネットワークの一つの現実
第6章 リンク格差とリンク戦略