噂の拡がり方 | ビジネス・ブック・アーカイブ

噂の拡がり方

●北陸先端科学技術大学院大学准教授である林 幸雄 さんのネットワーク理論に関する本。
身近な例から、専門的な例まで、今はやりの(?)ネットワーク理論について言及がなされている。

●この手の本に興味のある方なら、『新ネットワーク思考』『複雑な世界、単純な法則』『スモールワールド・ネットワーク』 は、既にお読みだと思う。
これらをあらかた読んだ上で、なお本書を読む必要があるかどうかは、正直微妙。
ただし、日本独自の事例として、「口裂け女」や「ドラえもん最終回」などの都市伝説や、さらには江戸時代の口コミュニケーションについて検証がなされており、ここは他書では読むことができない。

●なお、前半の事例部分は「新書チック」な読みやすさなのに、後半の専門的な部分は、かなり難しい(汗)。
書店で吟味する際に、どちらかだけを見て判断するとちょっと危険かも。
単行本だけあって、単なる「うんちく」レベルで終わっていないのは好感が持てるが、専門的な部分をもっとわかりやすく掘り下げてもらえるか、独自のメッセージのようなものがあると良かったと思う。
そうしないと、書評ブロガーとしては、オススメどころに迷ってしまうので・・・(汗)。

目次:
第1章 世間は意外と狭い!
第2章 噂はどのように広がるのか?
第3章 時空を越える伝達メディア
第4章 インターネットの威力
第5章 蔓延するウイルス
第6章 世界的交通網の拡大がもたらすもの
第7章 ネットワーク科学からのメッセージ