漫画『HUNTER×HUNTER』のキメラアント編。

今回お話しするのは、“メルエムとコムギの間には、子どもがいた”という話です。

 

あっ、言いたいこと分かりますよ。

 

「どこにそんなシーンがあるんだ!」とか、「会ってからの時間を考えれば、子どもなんているはずがない」とかね。でも、いるんですよ、それが。どういうことか説明しますね。

 

ご存知の通り、二人は『軍儀』を通じてコミュニケーションを取ります。コムギが連れて来られたばかりの頃、メルエムが手を考案します。しかし、その手は以前にコムギが考え付いた手だったのです。

 

 

 

そのことを告げた時、コムギはこんなことを言います。

 

「総帥様がお考えになられた離れ隠しは、正しい名前を「ココリコ」と言いまして、私が考えました。10年ぐらい前です。(中略)

何か馬鹿な私からでもこんな利口な子が生まれるのかって、結構嬉しかったんだけでど……。このコを殺すたのもワダすです。(中略)

総帥様が私と全く同じ戦法を考え出したことは、すごく光栄で感動で心が震えました。まるで一度死んだ我が子が生き返ったような・・・そんな気がすたんです」

 

コムギは、自分が考え出した軍儀の「手」を子どもと見ています。

 

 

メルエムとコムギの最期、二人は軍儀をします。その中、コムギは「ココリコ」を打ってきます。そしてメルエムは返しの手を打ち、コムギを試します。コムギは「新手」を打ち、メルエムは熟考した後さらにうえの「逆新手」を打ちます。

 

それを見たコムギは、「わだじはこんなにしあわせでいいのでしょうか? 私みたいなものがこんなに素敵なことがいくつもおきていいのでしょうか?」と泣きながら言います。その姿を見たメルエムは、自分と時間を過ごすと小麦も死んでしまうことを打ち明けます。しかし、コムギは「逆新手返し」を打ち、「メルエム様、ワダす…今…とっても幸せです。ふつつか者ですがお供させていただきます」と言います。そして二人は「この日(瞬間)のために生まれて来た」と悟るのです。

 

 

私はこのシーンを見て、あぁ二人は子どもを生み、結ばれたんだなと読みました。「逆新手」も「逆新手返し」も二人でなきゃ生まれてこなかった手です。一人では生まれなかったのです。だから、このシーンは二人の間に子どもが生まれたシーンと見るのもいいのではないでしょうか?