飲みニケーションを推奨する大人がよく口にする理由が、「お酒の付き合いができないと仕事に差し障る」だ。私も飲みニケーションをしてきたクチなので、言いたいことは理解できる。確かに酒の付き合いはできないより、できたほうが仕事に有利である。

飲みニケーションを敬遠する若者も、おそらく、この事実はそれとなく理解していると思う。そのうえで、飲みニケーションを敬遠している。

これは私の推測だが、社会経験豊富な世代の人達も、若い頃は、それほど飲みニケーションを好んでいなかったと思う。嫌々ながらでも、これも仕事の一環であり、しきたりだと受け入れて、付き合ってきたのではないだろうか。辛抱した先に、出世や昇給が見込め、長くこの会社で務めていこうという気概があったからだと思う。

だが、今の若者にはそれがない。
「それがない」というのは、気概のほうではなく、出世や昇給が見込める環境のほうである。辛抱して酒の席に付き合った先に、明るい未来が待っていればいいのだが、今の経済環境ではそれが見えてこない。

一昔前は、「いつかは自分も出世して部下を持つかもしれない。そのときのために、飲みニケーションを覚えておこう」と考えるビジネスマンもいただろう。だが今は、出世は見込めなければ、昇給も見込めない。仮に出世しても、昔ほど待遇が良いわけでもない。つまり、酒の席に無理して付き合う益がほとんどないのだ。
これでは、飲みニケーションを敬遠する若者が出てきても仕方がない。

「今の若者は飲みニケーションをしない」と結論付けるのではなく、そうなった理由を考えるべきだ。生まれた時は誰もが同じ赤子だ。成人したとき、自分たちと違いがあったならば、それは環境が生み出した差と考えるべきだろう。

飲みニケーションが過去のビジネス環境において有利に働いていたのは否定しない。だが、時代が変わり、環境も変わり、そして若者の意識も変わった。その変化に対応できなければ、的確なマネジメントはできないだろう。時代の変化に対応できる企業しか生き残れないように、マネジメントも変化しなければ、人を束ねることはできない。

『飲みニケーション』は、もう過去の成功体験であり、終わりを迎えようとしているのかも知れない。今の若者風に言えば、「飲みニケーションはオワコンです」。

これが今の若者の感性ですw



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