もう何年も前の話だ。
私宛てに一通の請求書が届いた。請求に関して疑問点があったので、記載してある連絡先に問い合わせの電話をした。
例のごとく、音声案内が流れる。「ガイダンスに従い、ご希望の番号を押してください」3回押す。担当部署に繋がったようだ。例のごとく、また「電話が込み合っているため、お繋ぎできません…」と音声案内が流れる。10分待てど繋がらない。切ってかけ直す。これを5回繰り返した。
さすがに痺れを切らし、最後は30分以上待った。「お待たせしました」ようやくオペレーターが電話に出た。私は開口一番「おい、ふざけんなよ」と切れた口調で(いや、もう切れてたw)、クレームを言い始めた。

たいした質問をしたかったわけではない。請求書に明記されているサービス名は何なのかをちょっと詳しく訊きたかっただけだ。すぐに疑問は解けたが、音声案内に関して大いに不満が残った。というか以前から不満はあったし、今もある。私は会社の窓口の人に「おたくら潰れるよ」と言い捨て、電話を切った。半年後、その会社は民事再生法を適用した。

私はコンサルだし、商売人でもある。また、一消費者でもある。
語気を強めて言えば、音声案内を使っている企業は、「顧客サービス」だの「顧客満足」だのという言葉を使わないでほしい。音声案内を使うってことは、『顧客より社内効率のほうが優先です』って言っているようなものだ。音声案内をされて「ま~、なんて素敵な顧客サービスなんでしょ。分かりやすくて便利だわ~~」なんて思った客は一人もいない。そんなことを平然とやってのける企業は遅かれ早かれ潰れる。音声案内に疑問を感じないようであれば、他の個所で顧客に不便を与えていても気づかないだろう。

少し話は変わるが、ついこの間、ある会社に電話したら、「ご注文ですか? お問い合わせですか?」と訊かれたので、「問い合わせです」と答えた。すると電話口の相手は、「お問い合わせは、ホームページからお願いします」と返し、ガチャと電話を切った。さすがに私も驚いたが、客観的に考えてみたら、音声案内のほうが酷いことしているなと思った。なぜなら、そもそも電話でないのだから。

なんか気づいたら、長文になってた。
何が言いたいのかというと、顧客不満足なサービスは、意外に身近にあったりする。大企業みんなやっているし、それが普通、常識とか思ってしまう。恐ろしいことだ。
顧客との接触を拒絶する企業に、未来はない。




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