学生時代は誰もが勉強する。
特に中高生の時は受験勉強という名のもとに、学校が終わった後も自宅や塾で勉強する(私は例外的にドロップアウトした)。
多くの人は、受験勉強というものを経験しているはずだ。
私はそれを見ていて心の底から凄いと思った。

 

学校で6時間勉強して、部活動して、また1時間~3時間勉強する。かなりのハードスケジュールではないか。では、勉強が好きなのかと訊くと、大抵は「嫌い」と答える。
嫌いな勉強を毎日自主的に1時間以上勉強するなんて私には出来ないし、出来なかった。
それが皆当たり前のようにこなしているのだから、凄いと思ったし、異常だとも感じた。

 

では、社会人になるとどうだろうか?
仕事が終わり、帰宅する。その後勉強する人がどれほどいるのだろう。実のところ、あまりいない。
厳しい受験勉強をしてきた人でさえ、社会人になるとパタリと勉強をしなくなる、もしくは、勉強時間が大幅に減少する。

 

私はこの現象を不思議に思う。
社会に出てからが本番なのに、なぜ、勉強しないのか?
私は毎日30分~1時間勉強している。それを人から、「偉い」とか「凄い」とか言われる。私からすれば受験勉強していたあなた方のほうがよほど凄いと思う。私が今している勉強時間なんて、たかだか30分や1時間だ。
むしろなぜ、学生時代の延長で社会人になってからも勉強しないのか不思議でならない。

 

学校で優秀だったことと、社会で優秀であることとはあまり関係がない。
学校と社会ではルールが違う。学生から社会人になるということは、全く新しいルールの場で戦うということだ。
喩えれば、サッカーをやっていた人が、いきなり野球をやらされるようなもの。
学生時代に培った知識や実績なんて、社会に出たらほとんどは役に立たない。野球でホームラン王だったとしてもサッカーでは関係ないのと同じだ。

 

人生の大半を占める時間は、学生ではなく社会人だ。学生に戻ることはほとんどない。つまり、学生時代に培った知識や経験は、ほとんどが使い捨てになる。
本当に勉強しなきゃいけないのは、社会に出てからなのに、なぜだか皆しなくなる。

 

不思議ではないか。
社会人になってからする勉強は実践的でかつ実益的なものだ。
学生時代にする、一生使うこともないだろう知識と方程式を覚えるのとはわけが違う。社会人になってからする勉強は、ほぼ確実に役立ち、評価や収入にも影響を与える。
学生時代、猛勉強していた人が勉強を止めているのを見ると「いやいやいや~、ここからでしょ。ここからが本番でしょ」と言いたくなる。

 

しかし、これはある意味チャンスでもある。
皆勉強をしないのであれば、する人間との能力の差は自然と開く。それが20年30年と積み重なれば、それは歴然とした差になるだろう。
特に20代にした勉強は、後の30年先まで役立つ。若いうちに勉強するほど長く役立つのだ。

 

社会人になってから勉強しない人の様を見て、大人社会はある意味あまいなと思う。


えっ、「いつ勉強したらいいのか?」って。

 

「今でしょ!」

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実はこれが言いたかった。