“着物の王様”とも言われる加賀友禅。
加賀友禅の始まりは、江戸時代の中ごろです。
江戸時代、加賀では友禅染の技法を使い、掛け軸が作られていました。掛け軸で人気が高かったのは、自然の描写です。職人たちは、掛け軸の絵を描く中で、写生の技法を学んでいったと言われています。
写生の心を代表する表現が、〝葉っぱの虫食い”です。ありのまま表現するのが、独特の魅力を生みました。加賀友禅には、写生の心が宿っているのです。


金沢で独自の発展を遂げた加賀友禅は、落ち着いた色、精緻な絵柄、ぼかしの技法が特徴です。
落ち着いた色を作りだしているのは、加賀5彩(黄土、草、古代紫、藍、墨)です。5彩とも、地味な中間色です。これをベースに組み合わせをし、何十種類もの色を作っていきます。
落ち着いた色になったのは、加賀友禅が生まれた、金沢の風土に合わせたからと言われています。


精緻な絵柄なのは、鳥や花などの自然の情景が、日本画のように細やかに描かれているからです。
花や鳥だけではなく、光や風を取り込み、自然を表現した絵が生き生きしています。


そして、加賀友禅に使われているのが、ぼかしの技法です。
ぼかしを使うことで、色のグラデーションができ、深みのある味わいをもたらします。


友禅は川に育てられました。
冷たくきれいな川が、加賀友禅の色を育んできたのです。
友禅とは、絵柄の輪郭に糊をおき、それを防波堤のようにして、色が外に染み出さないようにした技法です。この技法を持ち込んだのが、宮崎友禅斎。京都で友禅染を始めたとされる人物です。


友禅流しにもこだわりがあります。
今は、人口の川で流していますが、川の流れが早すぎるとノリ落ちは良いが擦れがおき必要な染料が落ちてしまいます。遅すぎるとノリが落ちません。早く流し、遅く流したりと、流れを調節しているのです。


こうして着物の王様、加賀友禅は作られているのです。




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