普段、あまり毒を吐かないのだが、今回はちょっとだけ。

最近、やたらと目に付く言葉がある。
それは、「年収」「月収」という言葉。特に多いのがfacebook上のスポンサー広告やTwitterでのアフィリエイトツイートだ。
たとえば、「年収○○○○万円を実現」とか「月収○○○万円を稼いだ」など。

こういう広告を見るたび「品がない人だなぁ~」って思ってしまう。同時に「不景気なんだなぁ」とも思う。事実、不景気になるとマルチ商法が流行り出す。アフィリエイトもネット上でのマルチみたいなものだ(厳密には違うけど)。

自分の稼ぎを謳い文句にしている人は、実際に謳い文句通りの年収を稼いでいるのかもしれない。それは別にいい。稼ぐことは間違いではないし、良いことだ。どんどん稼げばいい。
ただ、それを公の場で「私はいくら稼ぎました」と発言するのは、あまりにも品のない行為だ。中には、通帳まで公開している輩もいる。恥知らずもここまでくれば英雄か。

これは、教養というか、品格というか、そういう類の問題。だから、「いくら稼ぎました」と言っちゃう人は、自分の行動に品がないということに気づかない。「品がないんだよ」って教えても、多分わからないし、理解できないだろう。

以前、不動産業を営んでいる人が教えてくれた。それは、「聞いてもいないのに、自分の年収を口にする奴は、たいていはペテン師だ」と。これが事実かどうかは知らない(私自身、年収をペラペラ口にするような輩とは付き合わないので)。

私の知り合いにも、億近い年収を稼ぐ人はいるが、その人は別に言いふらしたりはしない。間違っても広告文句で使ったりもしない。
酒の席で、「ぶっちゃけ、いくら稼いでいるの?」と聞かなければ、自分の年収なんて教えてくれないものだ。

シラフな状態で「私、年収○○○万円稼いでいます」と公言し、ブランド品で身を固めている人の姿を見るたびに、「コイツ、なんて恥ずかしい奴なんだ」って思ってしまう。
こういう風に、稼ぎと品格がアンバランスな人を「成金」と言う。
「成金」は恥ずかしい。今はネットの影響もあり、その恥ずかしい姿をネット上で堂々と公にしているが、見ていて痛々しい。

たとえ私の年収が億単位になったとしても、「私の年収は○億円です!」と公言することは、まかり間違ってもしいだろう。他人の恥ずかしい様を見て、痛切にそう思う。