サルだぎゃ



秋めいたと思いきや、暑さがぶり返してきて、息苦しいじめっとした気候に、呼吸をためらってしまいそうになる今日この頃、皆はいかが過ごしとりゃあすかや?



そんなこの時期の七十二候は、こくものすなわちみのる



米が実り始める時期っちゅうことで、イネ花粉が横行しておる



かくいうわしも、イネ花粉にやられ、目鼻がグジュグジュ、口も肌も乾いて、ある意味実るほど頭を垂れる稲穂かな状態なのじゃが、皆、大事ないか?



花粉症というものは、過敏が原因の流行病だがね。わしもつい、流行に敏感になってまうでねぇ。そんな自分がおそぎゃあ



日の入りも早くなり、秋の夜長に何しようか、考えておるうちに夜は更け、眠ってしまう、そんな不毛な毎日よりも、軽い気持ちでも流行に乗ってみるのもひとつの手かもしれん



そんなもんはなかなかおらんじゃろうが



やってみにゃ始まらん



それが人の世だで



では、なにをはじめようかと迷うところじゃし、いざ始めようにもその一歩がでなんだりもする



何にしても、やりはじめというのは案配がわからず、要領をつかめず、負担になってまうでねぇ



負担なんちゅうもんは、普段は感じず生きる方がええように思うが、人とは背負うものがあって始めて苦労が実るもんじゃ



米は、時に雨風にさらされ、時に渇きに妙、それでも倒れず立ち続け、堪えたもんだけが実り実って、頭を垂れる



人と変わらんのじゃなぁ



実りたいなら耐えがたきを耐え、ふんばり続けることしかないんじゃな



待たずとも苦労はあちらからやってくる。前ではなく上へ上へ進むため、ぬかるみもかたく踏みしめよう



じゃからこそわしは、がんばって、という言葉より、ふんばって、と皆に伝えたい



フンバっ!



太閤 フンバリスト 秀吉