直政じゃ。


今宵は其々が色んな想いで過ごしていると思う。


儂も同じじゃ。


三年という月日は経ったが、まだまだ被災地には深い傷跡が残っておる。


当時は何もできない自分の無力さに涙した。


儂はあの日の出来事を決して忘れず災害の備えをする事、先日卒業式を終えた女川中学校の生徒達と共に歌うた「空」を歌い繋いでいく事しかできぬが、それだけは必ず全うする。

来年も十年後も百年後も。

皆にも皆にしか出来ぬ事を考えてみると良いかもしれぬ。


今日という日を忘れぬように。



黙祷






井伊直政