直政じゃ。



儂は怒っておる。



何故か?



聞きたいか?



聞きたいのか?




聞きなさい。




…。






先日、我が息子達が眠る江戸・豪徳寺に行ってきた。


ここは【招き猫】の由来としても知られる素晴らしい寺でな、ひこなんたら誕生の原点でもある。

詳しくは長くなるのでまたの機会に話すが、井伊家、招き猫、ひこなんたらには実は深い関係があったのじゃ。




そんな事より…。




豪徳寺にて墓参りをした帰り道、儂は偶然 斯様な物を発見致した。




此を見よ。








招き猫の横には赤備えの甲冑が…!




この組合せは正しく儂、いや、もしくは直孝か。




とにかく、こんな嬉しい事はない。



儂は井伊家を大切にしている者が居るという事に心から感動しておった。



…が、儂はあるモノに気付いた。










ん?




鹿…?





儂の前立ては鹿ではな…










さ、さ、さ…





真田幸村ぁああああああああああああああああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!







この屈辱…



皆にわかる…か?




儂はここの主人を切り捨てようかと思ったが、必死に耐えた。



耐えた…が、訳は聞いた。



なんでも、この組合せは偶然だという。


真田の人形は娘が真田好きで、旅行先で買ってきたものを飾っていたと。
招き猫は商売繁盛の意味で飾っておると。


まぁよく見たら、招き猫が小判を持っておるしな。


豪徳寺の招き猫は【人招きの猫】であるから小判を持たぬのじゃ。



ふむ。




これは何を意味するか?



そうじゃ。



儂の注意力が足らんかったということじゃ!!




それに気付かなんだ己に腹を立てておるのだ。




この井伊直政まだまだ修行が足りぬ!




鍛錬あるのみじゃな。




お、そうじゃ。



何やら、おもてなし武将隊JAPANがざわざわし始めた。



まだよくわからんが何かが起こる…予感。





それでは、儂は鍛錬じゃ!




いざっ!!!







井伊兵部大輔直政








追記
ここの主人には井伊家の歴史と招き猫の由来を一時間ほど解説しておいた。