みなさま、こんばんは。
陣笠隊のなつでございます。
「#尾張自慢」六十四日目でござりまする。
此度ご覧いただきまするは、本丸御殿・表書院の上段之間でござりまする。
注目していただきたいのは、昨日ご覧いただいた帳台構えの中でも間二枚の総角結び(あげまきむすび)にござりまする。
我らが着る甲冑にも総角結びを施しまするが、甲冑のものとこの御殿内のものでは違いがござりまする。総角結び自体は古からの結びでござりまするが、「入型」と「人形」があるのをご存知ですかな?
財や幸福など入ってきてほしいと願うものには「入形」を、命の危機や不幸になるものは入らないように「人形」を用いるのでござりまする。
そして、この御殿に用いられておるのは「人形」でござりまする。つまり、日々の生活や政を行う場所でありながらも戦にも備え領地や領民を守ることを考えておられたことがお分かりいただけるかと思いまする。
諸手を挙げておられるわけではないということを四百年の時を経た今になって我ら足軽は知ることができましてござりまする。
なつ
《なつの一枚》
「知られざる覚悟」