皆の者、息災か。
加藤清正である。


此度は踊舞と共に「金シャチキャラバン」披露式に行って参った。
戦さ場は薩摩は鹿児島空港。
薩摩を治めた島津殿は、かつて儂が熊本城を築く際仮想敵と定めた国。
気を引き締め出陣して参った。


鹿児島空港にてあひる隊長と共に、名古屋の観光報知。
我らが名古屋の魅力を存分に伝えて参った。


集まってくれた薩摩の民に名古屋銘菓を配る。
眼からの情報だけではなく、味覚をも攻める策じゃ。
名古屋の味を楽しんで貰えれば幸甚じゃ。
我らが持って参った金鯱を写し絵に収め空港内の案内所に持っていけば、名古屋銘菓を貰えるぞ。
九月三十日までだで、忘れんようにな。


金シャチキャラバンにて名古屋の魅力を伝えて参った後は、踊舞と二人で薩摩漫遊記と洒落込んだ。



薩摩漫遊記その壱。
まずは空港前の西郷公園に行き、日の本一の西郷隆盛殿の像と写し絵を撮った。
西郷隆盛殿とは西南戦争時、熊本城を通じ浅からぬ縁がある。
我が熊本城が、築城より三百年近く経ったのち西郷殿に攻められたのじゃ。


結果は我が熊本城は落ちる事なく、西郷殿を退けた。
のちに西郷殿は「官軍に負けたのではなく、清正公に負けたのだ」と語ったそうな。
しかしながら西郷殿の戦の采配ぶりは見事。
儂も敬意を表したい。



西郷公園にはあひる隊長もおったぞ。
共に名古屋の観光報知をした戦友。
心が昂ぶった。



薩摩漫遊記その弐
その後は桜島がよう見える鹿児島港へ。
実に雄大で良き景色じゃな。


この大きな鉄甲船で桜島に渡るらしい。
儂もいつか乗ってみたいものじゃ。


鹿児島港では踊舞と手合わせ。
この模様はインスタグラムにて見ることができるで、興味のある者はみてちょうよ。


薩摩漫遊記その参、その
薩摩名物を求め、天文館へ行って参った!
此処は言わずと知れた薩摩の盛り場。
早速薩摩名物、白くまかき氷の本家むじゃきを見つけたぞ。
白は城に。
くまは熊と通じ、儂の熊本城を思い起こす縁起の良い食べ物じゃ。
味の方も実に美味であった。




薩摩漫遊記その伍、その陸
桜島と鹿児島市内を一望できる、城山展望台に参ったぞ。
眺望絶佳とはこのことか。
絶景哉絶景哉。

展望台には俳句・短歌ポストなるものが備え付けられており、鹿児島の思い出を詠む場が整えられていた。
折角だで、一首詠むことと致した。

「我が想い  桜島へと  乗り移る
遠くけぶるは  熱き魂」

今振り返れば乗り移るは宿りけりの方がよかったやも知れぬな。
歌の道の険しき事、桜島の如し。



薩摩漫遊記その
日本の滝百選にも選ばれた、龍門滝じゃ。
想像以上に広く高く、実に荘厳なる滝であった。滝の上にも庵のようなものが観えた。
そこからの眺めも壮観じゃろうな。
更には夜間には光で照らされるらしい。
次は夜に参りたいものじゃ。




薩摩漫遊記その
鹿児島空港に戻り一息ついた。
なんと足湯が併設されておるのじゃな。
まこと、この薩摩遠征は濃く深い一日と相成った。



儂が薩摩にこのような穏やかな気持ちでおられるのは、四百年前には全く考えることの出来なかった事じゃ。
この平和な令和の世だからこそ実現したといえる。
徳川様の創りし元和偃武の精神が続き嬉しく思うぞ。

薩摩の民よ、此度の我らの戦働きをもって名古屋に興味を持ってくれたかの。
我らはいつでも名古屋城にて待っておる。
また遊びに来てちょうよ。



加藤清正